360度評価のコメントに悩む!例文を立場別・職種別・評価項目別で紹介

360度評価は、職場でのコミュニケーション改善やチームの成長を支援するための効果的なツールです。上司、同僚、部下の視点からの評価を通じ、個々の強みや改善点を明確にできます。今回は、360度評価におけるコメントの書き方について、立場別・職種別・評価項目別に詳しく解説します。


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360度評価でコメントを記載する際のポイント

360度評価においてコメントを記載する際には、具体的でわかりやすい内容を心がけることが重要です。コメントの内容は感情や主観に偏らず、公平で客観的な視点を保つように注意しましょう。ここでは、コメントを記載する際の具体的なポイントを紹介します。

できる限り具体的に記載する

評価のコメントは、抽象的な表現ではなく具体的な事例や行動に基づいた内容にすることが理想です。例えば「積極的だった」という評価ではなく「ミーティングで新しい提案を行い、チームのアイデアの幅を広げた」といった具体的な行動に焦点を当てた記述にすることで、受け取る側が理解しやすくなります。

評価後は適切なフォローアップを行う

評価は単に結果を伝えるだけでなく、評価後のフォローアップが重要です。特に改善点が含まれる場合には、具体的なアクションプランや改善案を示し、次回の評価に向けた取り組みをサポートする姿勢を示しましょう。これにより、評価が単なる批評ではなく、成長を促すフィードバックとして効果的に機能します。

印象や感情で評価を行わない

評価のコメントには、評価者自身の印象や感情を反映させないことが重要です。冷静で客観的な視点で、事実に基づいたコメントを心がけることで、公平性が保たれます。例えば「感じが良い」という曖昧な表現ではなく、「顧客対応の際に迅速に対応し、満足度を高めた」といった具体的な行動に基づく表現を使用するようにしましょう。

360度評価に関してのさらに詳しい情報や、導入のメリット・デメリットについては、下記も参考にご覧ください。

360度評価とは?メリット・デメリットや導入のポイントについて解説!

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【立場別】360度評価におけるコメントの例文

ここでは、上司、部下、同僚という立場別に、ポジティブ・ネガティブ・NGコメントの例文を紹介します。

上司から部下へコメントする場合

上司から部下へコメントをする際には、部下の成長を促し、ポジティブな姿勢を示すことが求められます。一方で、改善が必要な点についても具体的に指摘し、部下がどのように改善できるかを明確に伝えることが重要です。

【ポジティブなコメント例文】
・「最近のプロジェクトでは、責任感を持って業務に取り組み、他のメンバーとの協力もうまく行えていました。特にチームの目標達成に貢献してくれた点が印象的でした。」
・「先月のプレゼンは説得力があり、顧客からの評価も高かったです。次回はさらに細かいデータ分析を盛り込むことで、説得力がさらに増すでしょう。」

【ネガティブなコメント例文】
・「プロジェクト管理の面で、期日に間に合わせる意識がもう少し必要です。次回からは、進捗確認のタイミングを設けることで改善が見込まれるでしょう。」
・「コミュニケーションにおいて、もう少し相手の意見に耳を傾けると、スムーズに業務が進行すると思います。今後、会議などで他のメンバーの発言を積極的に引き出す姿勢を意識しましょう。」

【NGなコメント例文】
・「いつも遅刻が多いよね。改善してくれないと困る。」
・「何も言わなくても自分で気づいてほしい。」

部下から上司へコメントする場合

部下から上司へコメントをする際は、感謝の意を伝えつつも、改善点について建設的に伝えることが大切です。過度に評価を下げることなく、具体的な事例をあげることで、信頼関係を損なわずにフィードバックが行えます。

【ポジティブなコメント例文】
・「日々の業務に対する指示が的確で、業務効率が上がりました。特に、新しいプロジェクトの方向性がはっきりと示されている点が助かりました。」
・「細やかな指導とサポートのおかげで、業務に自信が持てるようになりました。今後もよろしくお願いします。」

【ネガティブなコメント例文】

・「会議の進行が少し急ぎすぎるため、メンバー間で意見を出し合う時間がもう少しあると嬉しいです。」
・「フィードバックのタイミングが後になりがちなので、早めにいただけると改善がしやすくなります。」

【NGなコメント例文】
・「指示が遅い。」
・「もっとちゃんとしたリーダーシップを発揮してください。」

同僚へコメントする場合

同僚へコメントを行う場合は、相手に対する尊重の意を示し、双方の協力関係を築く姿勢が求められます。ポジティブな面を伝えつつも、改善が必要な点には建設的なフィードバックを提供しましょう。

【ポジティブなコメント例文】
・「あなたのサポートがあったおかげで、スムーズに業務を進めることができました。特に、緊急対応の際にはとても助けられました。」
・「いつも丁寧に業務を進めてくれるので、とても安心してチームワークが取れます。これからもよろしくお願いします。」

【ネガティブなコメント例文】
・「ミーティングの時間管理が少しルーズになることがあるので、改善するとさらに良くなると思います。」
・「チーム内での情報共有が少ないと感じるので、もう少し積極的に共有していただけると助かります。」

【NGなコメント例文】
・「いつも勝手にやっている感じがする。」
・「もう少し周りに合わせてください。」

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【職種別】360度評価におけるコメントの例文

360度評価におけるコメントは、評価対象者の成長や改善につながるため、職種ごとに適切なフィードバックが求められます。下記に、営業職、事務職、企画職、技術職の各職種へのコメント例文を、ポジティブ・ネガティブ・NGコメントの3つに分けて紹介します。

営業職へコメントする場合

営業職へのコメントは、数値目標への貢献や顧客対応の質を評価することが重要です。コメント内容が抽象的ではなく具体的であるほど、評価対象者にとってわかりやすく、成長につながります。

【ポジティブなコメント例文】
・「常に顧客のニーズを把握し、適切な提案をする姿勢が素晴らしいです。特に、〇〇社への対応では高い成果を上げて信頼を獲得しました。」
・「数字の達成だけでなく、チーム全体のモチベーションを高めるリーダーシップが発揮されています。」

【ネガティブなコメント例文】
・「目標達成への意識が高いものの、顧客とのコミュニケーションで改善の余地があります。ヒアリング力をさらに高めると、顧客満足度の向上が期待できます。」
・「数字の達成にこだわるあまり、チームとの連携が不足している場面が見受けられました。」

【NGなコメント例文】
・「もっとやる気を出すべきです。」
・「他の人と比べて頑張りが足りない。」

事務職へコメントする場合

事務職では、正確性や効率性が求められるため、業務の正確さやサポート力に焦点を当ててコメントを行います。

【ポジティブなコメント例文】
・「日々のデータ入力やファイル管理が迅速かつ正確で、チーム全体の業務効率が向上しています。」
・「他の部署との調整も円滑で、周囲からの信頼も厚く、業務がスムーズに進行しています。」

【ネガティブなコメント例文】
・「業務の正確性は高いものの、処理速度に改善の余地があります。特に、優先順位を意識すると効率がさらに上がると考えられます。」
・「時折、業務の進捗状況が共有されず、他のメンバーがサポートに困難を感じることがありました。」

【NGなコメント例文】
・「もっとスピードを上げてください。」
・「他の人の迷惑にならないように。」

企画職へコメントする場合

企画職は、独創性と分析力が重要視されるため、新しいアイデアの提案やプロジェクトの進行具合に焦点を当ててコメントします。

【ポジティブなコメント例文】
・「常に新しいアイデアを積極的に提案し、プロジェクトの進展に大きく貢献しています。特に〇〇の提案は、社内外から高い評価を受けています。」
・「データ分析のスキルを活かし、プロジェクトの成功につながる具体的なプランを打ち出してくれています。」

【ネガティブなコメント例文】
・「創造力が豊かである反面、プロジェクト管理力がやや不足しています。スケジュール管理を意識すると、さらに成果が期待できます。」
・「提案の内容が豊富ですが、時折分析が不足し、実現可能性について疑問が生じることがありました。」

【NGなコメント例文】
・「もっと具体的な案が欲しい。」
・「新しい発想が必要です。」

技術職へコメントする場合

技術職へのコメントでは、専門的なスキルや問題解決能力、他の部署とのコミュニケーション能力に注目してフィードバックを行います。

【ポジティブなコメント例文】
・「技術的な課題に対して迅速に対応し、プロジェクトの円滑な進行を支えてくれています。コードの品質が高く、信頼性のある開発が行われています。」
・「他の部署との調整も的確で、社内の信頼を得ており、スムーズなプロジェクト進行に貢献しています。」

【ネガティブなコメント例文】
・「技術力は高いものの、チーム内での情報共有が不足しています。状況を周囲に伝える意識があると、より効果的な連携が期待できます。」
・「問題解決力に優れていますが、時折、他の部署の要望に対応する余裕がないことが見受けられました。」

【NGなコメント例文】
・「もっと周りに気を配ってください。」
・「他の部署ともう少し仲良くして。」

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【評価項目別】360度評価におけるコメントの例文

360度評価におけるコメントは、評価対象の能力や成果、情意などの項目ごとに異なるアプローチが求められます。ここでは、よく使われる評価項目ごとに、ポジティブ・ネガティブ・NGコメントの3種類で紹介します。

成果評価のコメントをする場合

成果評価は、特にプロジェクトの達成度や個人の技術的貢献度が重視されます。コメントをする際には具体的な業績やスキルを示しつつ、公平性と具体性に注意することが大切です。

【ポジティブなコメント例文】
・「プロジェクト全体の進行をリードし、スケジュール通りに完了できたのは、あなたのリーダーシップと問題解決能力のおかげです。」
・「高い技術力でチームに貢献し、複雑な課題を迅速に解決できる姿勢が素晴らしいです。」

【ネガティブなコメント例文】
・「成果を出すための取り組みには積極的でしたが、他のメンバーとのコミュニケーションに課題があり、チーム全体での進捗に影響が生じることがありました。」
・「プロジェクトの完遂には至りましたが、初期の計画段階でもう少し緻密な調整があれば、より効率的に進行できた可能性がありました。」

【NGなコメント例文】
・「頑張ったけど、もっと成果がほしかった。」
・「ただ成果が出てない、もっと努力するべきだ。」

能力評価のコメントをする場合

能力評価では、対象者がどれだけのスキルや知識を実際に業務で発揮できたかが中心となります。技術的な能力に加え、今後の成長を見据えた評価を心がけましょう。

【ポジティブなコメント例文】
・「複雑な技術的課題に対して、自ら学び改善しようとする姿勢が強みです。」
・「新しいスキルの習得に積極的で、短期間で業務に活かせるレベルまで到達しています。」

【ネガティブなコメント例文】
・「スキルアップのための研鑽を期待していますが、現時点では他のメンバーと比べてやや遅れがみられます。」
・「業務に関する知識が不足しているため、上長や同僚からのサポートが必要になることが多いです。」

【NGなコメント例文】
・「能力不足。」
・「もっと頑張ってほしい。」

情意評価のコメントをする場合

情意評価は、業務に取り組む姿勢やチーム内での協力性、マインドセットに焦点を当てた評価です。特に対人関係に関するフィードバックは、相手が前向きに受け止められるような配慮が重要です。

【ポジティブなコメント例文】
・「常に他のメンバーをサポートする姿勢があり、信頼できます。」
・「業務の合間にも積極的にコミュニケーションを取り、良好な関係が築けています。」

【ネガティブなコメント例文】
・「他のメンバーとの意見交換が不足し、周囲との情報共有がやや不十分でした。」
・「チーム全体の意向に対して、自身の意見を強く主張する場面が目立ちました。」

【NGなコメント例文】
・「周りと上手くやってほしい。」
・「協調性がない。」

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まとめ

360度評価のコメント作成においては、具体性と客観性を重視し、評価対象者が受け取りやすい表現を心がけることが重要です。コメントは単なる批評ではなく、成長を促すフィードバックとして機能することを目指しましょう。

東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)では、360度評価でのコメントの書き方にお悩みの方におすすめの企業研修を実施しています。心理学のメソッドを活用し、マネジメントに関する悩みを効果的に解消する実践的な内容で、評価の質向上と人材育成に役立つスキルが身につきます。気になる方はお気軽にお問い合わせください。