エース社員が辞めてしまう理由とは?解決策や実例を解説

エース社員が辞めてしまったことにより、大きな損失につながってしまった…という企業も少なくないでしょう。本記事では、エース社員が辞めてしまう理由や退職を防ぐ対策法について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。


この記事は約6分で読み終わります。

エース社員が辞めてしまう主な理由

エース社員の退職は、企業にとって大きな損失になるでしょう。では、なぜエース社員が辞めてしまうのでしょうか。考えられる理由として、以下の3つがあります。

・能力的に相応しい待遇ではないから
・やりがいを感じられなくなったから
・人間関係が悪いから

それぞれの理由を理解して、エース社員が辞めなくなる職場を作っていきましょう。

能力に相応しい待遇ではないから

能力に相応しい待遇が用意されていない企業だと、エース社員が辞める傾向にあります。優秀な社員は、他の社員と比べて要領良く仕事をこなせるため、同じ勤務時間でもより多くの仕事をすることになります。

そのため、同じ業務や立場なのにも関わらず、周囲の同期と同様の待遇だと、能力に見合っていないという不満につながるでしょう。

また、管理職になった途端、残業代が支給されなくなり、手取りが減ってしまうケースも珍しくないです。管理職なれば、仕事量や責任が増えるため、その代償に見合う待遇でないと、会社への不信感につながります。

エース社員に仕事が集中するにも関わらず、それに見合っていない待遇の会社は、社員が辞めてしまう会社の特徴のひとつです。

やりがいを感じられなくなったから

エース社員は、常に向上心を持って仕事に取り組んでいるため、成長している実感を求めています。

そのため、役職や報酬を上げて裁量を持たせたとしても、その状態に慣れてしまうと物足りなさを感じてしまうでしょう。

また、周囲のレベルが低い環境の場合、ちょっとした努力でも評価されてしまうため、どこか物足りなさを感じてしまいます。

エース社員になるような人材には「自分の限界を超える経験をしたい」「お互いを認め合う対等な同僚と話し合いたい」」人生をかける価値のある面白い仕事をしたい」といった欲求があります。その欲求が満たされない職場だと、ある程度仕事で成果を出した時点で、転職活動を始めてしまいます。

さらに、エース社員は他社からも注目されるような存在なため、スカウトされることも珍しくありません。

人間関係が悪いから

エース社員は仕事ができるが故に上司から嫌われたり、同僚から嫉妬されたりするケースがあります。その結果、職場で孤立し、人間関係によるストレスで会社を辞めてしまう場合があります。

部下が退職してしまうことでお悩みの方は、以下の記事もご参考ください。
部下の退職理由、本当は自分のせい?信頼される上司になる3つの方法

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エース社員の退職が及ぼす悪影響

エース社員は、企業の成長に欠かせない存在です。エース社員が退職してしまうと、以下のような悪影響を及ぼすおそれがあります。

・組織全体の生産性が低下する
・組織全体のモチベーションが下がる
・社員が目標を失ってしまう
・中長期的な人材育成が困難になる

組織全体の生産性が低下する

高いパフォーマンスを維持して働いていたエース社員の退職により、組織全体の生産性が低下する可能性があります。

特に、エース社員に依存している場合は、引き継ぎに苦労したり、業務が回らなくなったりして社員一人ひとりの負荷が増えるでしょう。

また、代わりを担えるような人材が採用できていないと、事業成長に遅れが出るだけでなく、場合によっては既存顧客から契約を打ち切られてしまう危険性もあります。

心理学的にみても、優秀な社員が周囲にいるだけで生産性が上がるという統計があるため、他の社員にも無意識に影響を及ぼしている場合があります。

組織全体のモチベーションが下がる

社員の多くは、ロールモデルをエース社員に設定していることが多いため、能力やスキルで尊敬できるエース社員の退職は、他の社員のモチベーション低下の原因になってしまいます。

また「あのエース社員の方が辞めたなら私も辞めよう」というように、退職が連鎖することもあります。

社員が目標を失ってしまう

エース社員が辞めることで「将来はエース社員のように自分もなりたい」と思える目標がいなくなってしまいます。

理想のキャリアプランを描き、その実現に向けて努力するための指針がないため、業務に対するモチベーションも上がりづらくなってしまうでしょう。

中長期的な人材育成が困難になる

エース社員の退職で組織全体のモチベーションが低下してしまうと、教育研修や人事評価に力を入れたとしても、本質的な動機づけが行えません。

結果として、会社が描いている中長期的な人材プランどおりに、教育研修や人事評価を行ったとしても成果をなかなか得られない状況になってしまいます。

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エース社員の退職を防ぐ対策

エース社員が会社を辞める兆候は、不満や愚痴が増える、自発的な発言が減る、カジュアルなコミュニケーションが減るなどです。これらのような兆候が見られる場合は、迅速な対策の実施が必要です。

ここからは、エース社員の退職を防ぐ対策について解説します。

昇進・昇格を適切に行う

エース社員の退職を防ぐためには、昇進・昇格を適切に行うことが大切です。適切に昇進や昇格を行うことで、やりがいや充実度が高まります。その結果、会社への貢献度が高まり、エンゲージメントの向上につながります。

まずは、成果と評価を連動させる仕組みを構築させましょう。評価基準が不透明で感覚的になっている場合、エース社員の理解は得られません。

そのため、公平に評価する、正解に対して褒める、評価する、評価の妥当性をもたせるといった点を考慮して、評価体制を構築するとよいでしょう。

上記のように具体性があり、どこまでやれば評価されるのか分かりやすい評価制度は、エース社員のモチベーションにもつながります。

経営者とのコミュニケーションを増やす

会社が実現しようとしているビジョンと、エース社員が成し遂げたいビジョンが一致している状態が、働くモチベーションを高めます。

そのために、経営者と社員で月1の会食や対談を実施など、定期的なコミュニケーションの機会を作るとよいでしょう。

実際に経営者がコミュニケーションをとるときは、下記の注意点に気をつける必要があります。

・経営者や経営幹部から声をかける
・「言う」ではなく「聞く」を意識する
・クローズ質問ではなくオープン質問をする
・業務の指示は直接行わずに上長を通して行う
・全員平等は意識しなくても良い
・一人に長い時間をかけなくても良い

大切なのは、会社と個人のビジョンのすり合わせです。

1on1を週1で実施する

コミュニケーションの機会や質、量の低下は、退職の原因になりやすい傾向です。そのため、1on1(上司と部下で行う15〜30分の定期的なミーティング)を実施して対話の場を設けるようにしましょう。

1on1の際は仕事の話だけでなく、ワークライフバランスや給与の納得度、本人が抱えている悩みなどをヒアリングすると良いでしょう。

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まとめ

エース社員が辞めることで、会社に大きな損失を与えます。そのため、どうしたらエース社員が辞めずに働きやすい環境を作れるかが企業にとっての課題になるでしょう。

まずは、社員が辞めてしまう原因を分析して、それにあった対策法を実施してみてください。