目次
部下をダメにする上司の特徴
部下をダメにする上司の特徴を、5つご紹介します。無意識のうちに部下をダメにしていないか、ご自身の言動を見直すことをおすすめします。
部下自身に考えさせない
指示やアドバイスを一方的に伝えるだけの指導は、部下自らで考える力を奪ってしまい、成長の妨げになりかねません。
部下がミスをした場合にも「なぜミスをしたのか」を自分で考えなければ、同じミスを繰り返してしまいます。
また、指示を与えられるだけの部下は、言われたとおりの仕事しかできず、問題解決能力が身に付きません。
上司は、部下自身に考える習慣を身に付けさせましょう。
部下を注意するときに感情的になりやすい
部下に注意する際に、感情的になる上司は部下をダメにしてしまう傾向にあります。
強い言葉で責したり、人格を否定する言葉を浴びせたりなど、感情に任せた指導方法はパワハラに該当することもあります。
部下に対して指導をすることは、上司の役割です。しかし、「叱る」と「怒る」の区別をつけて適切な指導をしなければ、部下を委縮させてしまい、モチベーションを低下させてしまうでしょう。
気持ちを感情的にぶつけるのではなく、適切な言葉と態度で部下と向き合いましょう。
部下の意見を聞こうとしない
部下の意見を軽視して、話を聞こうとしない上司も、部下をダメにしてしまう上司の特徴です。上司の意向が優先されるべきだと考えている人は、部下の意見を取り入れようとしない傾向にあります。
部下の提案や意見を聞き入れず、結果のみで物事を判断していると、部下からの信頼を失う原因になりかねません。
また、部下の提案を無視し続けると「自分は認めてもらえない」と感じて、部下の自己肯定感が低くなります。
上司と部下の信頼関係を壊さないために、部下の意見を聞き入れる姿勢を示しましょう。
部下に適切な方法で指導できない
優しい上司は、一見すると「良い上司」です。しかし、優しいだけの指導は適切とはいえません。状況によっては上司として毅然とした態度で、部下を叱らなければならないシーンもあるでしょう。
部下の顔色をうかがい、ミスをしてもすぐに許してしまったり、遅刻や納期遅れを黙認したりすることは、部下の成長につながりません。
部下に「優しい」上司と、部下を「甘やかす」上司は大きく異なります。るときと、褒めるときのバランスを取りながら指導を行いましょう。
部下とコミュニケーションを取らない
部下とのコミュニケーションを積極的に取り、士気を高めることも上司の役割です。
必要事項を伝えなかったり質問に返事をしなかったりなど、部下との意思疎通ができないと、伝達ミスが起こりやすくなります。
必要な伝達ができないと、業務が止まったり余計なタスクが発生したりと、業務に支障が出るおそれもあります。ほかの社員に迷惑をかけることになれば、生産性の低下にもつながりかねません。
人付き合いが苦手な人や、疲れや不満が顔に出やすい人は、部下に話しかけにくい雰囲気を与えてしまっていないか注意しましょう。
部下をダメにすると生じる弊害
上司が部下をダメにしてしまうと、部下のみならず、会社全体に悪影響が広がるおそれがあります。
ここでは、部下をダメにすると生じる弊害を、3つ解説いたします。
部下が成長しない
部下の失敗を恐れていつまでも仕事を任せない上司は、部下を受け身の状態にさせ、成長の機会を奪っているといえます。上司が部下に仕事を任せない・指導を行わないといった状況では、結果的に会社の成長を阻む原因にもなるでしょう。
とくに若手の部下は、次世代の会社を担う人材です。部下の育成を「後継者の育成」と捉えていないと、中長期的な会社の成長を妨げてしまいます。
部下がメンタルに不調をきたす
過度な叱責や指導は、部下の成長を妨げることに加え、メンタルに不調をきたすおそれも考えられます。とくに真面目な性格の部下ほど自分を追い詰めやすく、注意が必要です。
部下がメンタルに不調をきたして休職した場合は、欠員を補充するために人員配置の対応が必要です。場合によっては、会社全体の責任問題に発展する可能性もあることを意識しておきましょう。
部下が退職する
自分の成長を妨げる上司についていきたいと思う部下はほとんどいないでしょう。
上司の言動によって精神的に大きな負荷がかかる状態が続くと、部下のモチベーションも下がり、成長した自分の姿を想像できなくなります。優秀な部下ほど、自身が成長できる職場を求めて転職の意思を固めてしまうでしょう。
一定数の離職は企業側も想定していますが、何人も社員が退職すると新規採用や人材教育に時間とコストがかかり、会社にとって損失になります。
部下をダメにする上司にならないための方法
部下をダメにしてしまうと、会社の損失につながります。
最後に、部下をダメにしないために、上司として意識するポイントを5つご紹介します。
部下自身に自分で考える機会を与える
上司は、部下自身に「考える機会」を与えることが大切です。
仕事の効率を考えると、失敗の原因や失敗を回避する方法を初めに教えてしまうほうが、楽に感じることもあるでしょう。
しかし、自ら考えることができないと部下は自分で問題を解決する能力が養えません。成果を出すにはどうすべきか、できるだけ部下に考えさせるようにしましょう。
そのためには、最初から答えを与えるのではなく、部下が自分で答えを導き出せるように促します。ときにはヒントを与えながら、部下自身の力で解決させましょう。
部下の考える力が育てば、自分から行動し、問題を解決する能力が身に付きます。
仕事に私情を挟まない
仕事をするうえで大切なのは、職場に私情を入れないことです。上司の機嫌次第で雰囲気が変わる職場は、居心地も悪くなります。
また、好きな部下には優しくても、気に入らない部下には厳しいなど、人によって態度を変える上司は部下からの信頼が得られません。
私情で機嫌が悪くなる上司がいると、部下に気を遣わせてしまいます。感情が表に出やすい人はとくに注意が必要です。
職場や部下の前では、できるだけ平常心で過ごすように心がけましょう。
感情的になりやすい人は、謙虚な気持ちを常にもつことで、自分の過ちを認められるようになります。自分の現状を振り返って、理解することが大切です。
どうしても怒りをコントロールできない場合は、アンガーマネジメント講座を受けることもひとつの対処法です。
結果と過程から評価をする
部下の成長を望むなら、仕事の結果だけでなく過程も重視しましょう。
目標を立てて業務をこなしても、結果が出ないこともあります。とくに、数字で評価される会社だと、上司は結果だけを見て部下の能力を判断しがちです。
上司は、結果に至る過程にも目を向けるようにしましょう。過程も把握しておけば、部下の努力や指導するべき点が見えてきます。
指導するべき点はしっかりおさえ、良い点は褒めて部下が自信をもてるようフォローしましょう。
結果と過程の両方から評価し、部下が自信と学びを得られる育成方法を考えることが上司の大切な役割です。
部下の適切な評価方法については、以下の記事で解説しています。
適切な部下の評価の仕方を紹介!部下のストレスを軽減する方法とは
適切なコミュニケーションを取る
部下と適切なコミュニケーションを取れていれば、結果として仕事の円滑化につながります。
定期的に面談を行い、部下の状況を確認しましょう。普段から部下に声かけをするだけでも、コミュニケーションが取りやすくなります。
部下の話を聞く際は、上司から積極的に質問を投げかけ、部下が自分から発言しやすい会話を心がけてみてください。
また、仕事の話ばかりでなく、ときには雑談も必要です。気軽にコミュニケーションが取れるように、上司から働きかけましょう。
部下とコミュニケーションをとるコツについては、以下の記事で解説しています。
部下とコミュニケーションをとるための5つのコツ!避けるべき行動とは?
部下の指導を通して自身も学ぶ
部下に指導をする際は、上司の知識を整理しなければなりません。指導を通して再度学びを深めることで、上司自身のスキルも上がるでしょう。また、部下を指導するなかで新しい発見や意外な意見が出てくることもあります。
指導するだけでなく、自分自身も学ぶ姿勢をもつことが大切です。指導を通して、部下が意見を言いやすい関係を築き上げましょう。
まとめ
部下がダメになるか成長できるかは、上司の指導が大きく影響します。対して、誤った指導をすれば部下の成長を妨げ、企業活動にも影響が出てしまいます。
部下に成長が見られないときは、上司自身の行動を振り返ってみて育成のやり方を見直して必要な改善をすることが大切です。
部下をダメにしない方法を身につけて、部下を成長させられる上司にレベルアップしましょう。