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優秀な部下が怖いと感じてしまう理由
優秀な部下がつくと、最初は「安心して仕事を任せられる」と頼もしく感じます。しかし、次第に部下に引け目を感じるようになったり、漠然とした焦りを抱いたりするのはよくあるのではないでしょうか。
とはいえ、放置すると職場の人間関係が悪くなったり、仕事のパフォーマンスが低下したりするため、早めに解決する必要があります。まずは、上司が優秀な部下を怖いと感じる理由から理解していきましょう。
プライドが傷つけられるから
優秀な部下にプライドを傷つけられて、ある日を境に苦手意識を持つようになってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えば、意見が対立したときに部下に言い負かされてしまったり、人目のある場所でミスや問題点を指摘されたりしたときは、上司としてつらいものがあります。
特に、自分がやってきた仕事に自信がある方ほどプライドが高く、部下の何気ない一言や対応で心を折られやすいので気をつけましょう。プライドが傷つくとそれ以上自分の自信が失われるのが怖くなるため、部下との関係がギクシャクしがちです。
上司としての威厳が保てないと心配になるから
優秀な部下の働きぶりを見ているうちに、上司としての威厳が保てないと不安に駆られる方もいます。例えば、部下のほうが自分よりも良い意見や提案をして周りに認められたときは、上司として誇らしい反面、焦りを感じがちです。
また、自分よりも部下のほうが仕事の処理スピードが速く、精度が高いと評価されているのを知ると、自分のポジションが奪われてしまうとネガティブに考えてしまう方もいます。「上司は職場のトップであるべき」と気負っていると優秀な部下の追い上げに恐怖心を抱きやすく、部下への態度が悪くなりやすいので注意しましょう。
比較されて評価が下がるのが怖いから
優秀な部下と比較されて、自分の評価が下がるのに恐怖を感じる方もいます。仕事が良くできるのはわかっていても、部下のほうが人望を集め、周りの同僚から頼られているのを見ると惨めな気分になり「上司として立場がない」と感じてしまうのではないでしょうか。
優秀な部下と比較されるのが怖いのは、周りに「無能な上司」と評価されたり、信頼に値しないと思われたりするのが嫌だからです。いままで仕事で積み上げてきたものが、すべてひっくり返ってしまうような喪失感にさいなまれる方もいます。
優秀な部下を持つ上司に求められること
優秀な部下が怖いと感じて不安なときは、上司に求められる役割を改めて見直しましょう。上司とは、あくまでも職場における役割のひとつです。そもそも「上司は部下より優秀でなければならない」という決まりはありません。
上司にとって優秀な部下は恐怖の対象ではなく、会社全体に利益をもたらしてくれる存在です。上司は部下と張り合う必要はありません。優秀な部下を育てて導き、組織の成果を最大限に引き上げるのが本来の役目と考えましょう。
職場に必要とされる上司でいるためにも、優秀な部下を持ったときは次のふたつを意識して仕事に取り組んでください。
さらなる成長のための機会を提供する
優秀な部下を持ったときは、さらなる成長をサポートするのが上司の役割です。部下が優秀なら、すでに習得しているであろう知識や仕事のノウハウを教え込む必要はありません。本人の強みを活かすにはどうすべきか考え、部下の能力を最大限に発揮させる指導で良い成果につなげましょう。
例えば、部下の能力に応じて最適な業務を割り振ると、成長を促すのに効果的です。実務能力のある部下に対しては課題と目標を明確に伝え、ある程度の仕事の裁量を与えるのも良いでしょう。
定期的なフィードバックも大切です。不安や疑問を解決しながらコミュニケーションの機会を増やし、部下と良好な関係を築くことで、チームとしての士気も高まるでしょう。
恐怖心や余計な嫉妬から、優秀な部下の提案を安易に却下するのはNGな対応です。誤った上司の態度は部下達のモチベーションを下げ、離職の原因となりやすいので注意しましょう。
優秀な部下を承認する
部下の良いところを認めて伸ばし、仕事への取り組みを促すのも上司の役割です。優秀な部下に対する競争心や嫉妬といったネガティブな感情を飲み込み、素直に能力を認めましょう。
優秀なリーダーほど承認力が高く、周りから信頼されます。部下とのコミュニケーションのなかでは進んで共感し、感謝の気持ちを伝えましょう。部下の成長欲求が高まり、積極的に動いてくれるようになります。
上司が部下の意見に耳を傾けるのも、承認の機会のひとつです。自分とは違う意見が出ても、頭ごなしに押しつけるのは控えましょう。部下が自ら正しい答えに近づくように、サポートするのが上司の役割と考えてください。
優秀な部下が怖いと感じたときのNG行動
優秀な部下が怖いと感じても、職場では上司としての対応が求められます。不安や焦りから間違った対応を取ると、職場での信頼や優秀な部下を失うかもしれません。ここからは、上司としてやってはいけない行動をみていきましょう。
優秀な部下の成果を横取りする
当然ながら、優秀な部下の功績を自分のものとして社内外にアピールするのは厳禁です。部下は上司の行動をよく見ています。自分の評価をあげるつもりで成果を横取りすると部下からの信頼を失い、仕事で協力を得られなくなるリスクがあります。
そもそも、優秀な部下に嫉妬するような上司は、会社そのものの価値を下げます。部下の手柄は本人のものとして、正当な評価を受けられるようサポートするのが上司の役割です。部下から「私が成果をあげられたのば上司のおかげです」といってもらえる上司を目指すようにしましょう。
過小評価する
優秀な部下の出世を邪魔しようと、ことさらに過小評価するのはやめましょう。誰にとっても、正しい人事評価は仕事へのモチベーションを維持するのに欠かせません。公平に評価されないと部下は不満を抱き、離職に向かう傾向があります。
嫉妬や恐怖心から出世を妨害すれば、優秀な部下を失いかねません。優秀な部下を離職させれば、当然ながら、自分の管理職としての評価は低下します。
そもそも、部下を公平に扱い、正しく評価するのは管理職の大切な役割のひとつです。公平な評価ができない時点で、上司としての資質を疑われます。
優秀な部下への不安や嫉妬がおさまらないときの対処法
上司としての責任や部下への正しい対応を理解していても、感情のコントロールが難しいときもあるでしょう。優秀な部下に対する不安が解消できない場合は、メンタルトレーニングを受けるのも効果的です。
人間の脳は本来、長期的なストレスに打ち勝つようにできていないといわれています。ですが、メンタルトレーニングを学べば現状を受け入れやすくなり、目標を定めて楽しみながら仕事に取り組むノウハウを習得できるため、ストレスに強くなれます。
メンタルケアは、特別なものではありません。イギリスでは福利厚生の一環でカウンセリングを受けられたり、アメリカでは経営者が専属のカウンセラーをつけたりして、ごく身近なものとして捉えられています。
「東京・ビジネス・ラボラトリー」では、企業向けに心理学に基づいたメソッドを提供しています。モットーは、「心の成長=企業の成長」。心理カウンセラーが組織の一人ひとりの素質を見いだし、細かいアドバイスを行っているため、社員のメンタルケアのサポートに役立つでしょう。
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まとめ
部下を統率する上司も、感情のある人間です。優秀な部下を持ったときに引け目を感じたり怖いと思ったりしても仕方がないと考えてください。自分の感情を上手に受け入れたうえで、優秀な部下を使いこなせる上司を目指しましょう。
感情のコントロールに悩んだときは、メンタルケアを受けるのも選択肢のひとつです。ネガティブな意識を変えて実力を発揮するためにも、検討してみてはいかがでしょうか。