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アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれた怒りをコントロールするための心理トレーニングです。当時は犯罪者を矯正するためのプログラムとして活用されていましたが、現在では企業の研修にも取り入れられています。
怒らないことを目的とせず、生まれた怒りを管理・コントロールするのがアンガーマネジメントの特徴です。
アンガーマネジメント診断|6つの怒りタイプ
日本アンガーマネジメント協会は怒りのタイプを6つのパーソナリティ別に分類しています。それぞれの特徴について解説します。
公明正大タイプ
道徳心や正義感に溢れており、曲がったことが許せないタイプです。ルールや規範を守らない人に対して怒りを覚えやすく、そうした人を正そうとしたり、他人に自分の考えや価値観を押し付けたりする一面もあります。
博学多才タイプ
向上心があり完璧主義者で、白黒をはっきりさせないと気が済まないタイプです。優柔不断な考えや曖昧になることが嫌いな傾向にあります。自分にも他人にも厳しく、仕事でミスをした部下や同僚を強く責めやすいのが博学多才タイプの特徴です。
威風堂々タイプ
自尊心・プライドが高く、リーダーシップ力があることが特徴です。それだけに、自分の考えが通らないことや、自分が評価されないことに苛立ちを感じる傾向にあります。威圧的に振る舞ったり、自分の思い通りに物事を進めようとしたりします。
外柔内剛タイプ
自分の心情や価値観を大切にするタイプです。言い換えると、ほかの意見や価値観があることに気が付かない傾向があります。表向きは穏やかですが、自分の信念に反することが起こった場合は、強い怒りを抱きやすいです。自分が正しいと思い込んでいるため、「間違っている」と指摘されると強い怒りを抱きます。
用心堅固タイプ
何事も慎重に吟味して行動をするタイプです。物事を客観的に捉えることもできます。それゆえに他人と自分を比較して、負の感情を抱えることがあります。また、周囲に頼るのが苦手であり、自分で解決しようとしてイライラを募らせがちです。プライベートな領域に土足で踏み込まれたり、自分のルールを侵されたりすることにも怒りを感じます。
天真爛漫タイプ
感情をストレートに表すのが特徴で、自由を好むタイプです。好奇心旺盛であり、さまざまな物事に興味を示します。束縛が嫌いなため、自由に発言・行動できない場合には大きな不満を抱えてしまいます。自由を重視するあまり、周囲との調和を欠きやすいのも天真爛漫タイプの特徴です。
アンガーマネジメントのやり方5選
アンガーマネジメントを習得すると、怒りが原因でトラブルを起こすリスクを下げられます。ここではアンガーマネジメントのやり方について解説します。
6秒ルールでやり過ごす
アンガーマネジメントのやり方として有名なのが「6秒ルール」です。怒りを感じたら6秒数えるというシンプルな方法です。6秒だけ冷静になれば、自然と怒りは収まるとされています。
6秒数えても怒りが収まらない場合は、深呼吸をしてください。怒りを感じた際には、すぐに行動するのではなくいったん落ち着くのが大切です。
思考を停止させる
怒りを感じたら思考を停止させるのもおすすめです。例えば、怒りを感じるメールを見たら、すぐにメール画面を閉じてください。その後、しばらくはメールの件については考えないようにしましょう。
意識的に思考を停止できれば、怒りに任せた言動を抑制できます。怒りの原因を自分から遠ざけるのがポイントです。
その場を離れる
人とのコミュニケーションで怒りを感じたら、その場から離れるのが大切です。会社内であれば、トイレに行くなどして物理的に距離を取るのがおすすめです。買い物に行ったり散歩したりするのも効果的です。気を紛らわすことができれば、怒りの感情が収まりやすくなります。
固定概念を捨てる
自分の考えが正しいと思い込みすぎている点が、怒りを感じやすい原因かもしれません。他者に対して「こうすべき」と押し付けるのではなく、考えを受け入れるのが大切です。
自分の理想やこだわりがほかの人に通用しないこともあります。固定観念を捨て、柔軟かつ客観的な視点をもってコミュニケーションを行いましょう。
怒りのスコアを記録する
怒りを感じた際に原因やスコアを記入すると、客観的に自分を分析できます。日付、場所、事実、感じたことを記載し、怒りの度合いを1〜10段階で数値化してください。
怒りのスコアの記録が習慣化すれば、自分が何に対して怒りを感じるのかを分析できます。怒りを抱きやすい物事は遠ざけたり、前もって心の準備をしたりできます。
アンガーマネジメントを踏まえたマネジメント方法
部下を指導する上でも、アンガーマネジメントは重要です。ここでは、アンガーマネジメントを踏まえた部下のマネジメント方法について解説します。
日頃から信頼関係を築いておく
上司が部下に対して一方的に指導を行うのではなく、部下が上司に対して意見を述べられる環境が理想的です。部下が意見を言いやすい空気を作るためには、日頃から信頼関係を構築しておくのが大切です。
信頼関係が築けていないと、上司に指摘されたとしても響きません。部下が指導を聞き流してしまうリスクが高まるため、信頼関係の構築は重要です。
部下から信頼されていないと感じる場合は、人間関係が悪化する原因を生み出しているかもしれません。下記の記事を参考に、人間関係が悪化する原因を確認してみてください。
結果だけではなく原因や意図を質問・把握する
部下がミスをした際は、結果だけではなく原因や意図を把握することが大切です。ミスを起こした結果に着目して指導をしても、部下はどう改善すれば良いのか理解できません。
ミスが起こったという事象に怒りを覚えると、正確に状況を把握できず、早とちりしてしまう場合があります。冷静に状況を把握した上で、論理的に説明を行うのが重要です。
改善のための指摘をする
部下には単なる非難ではなく、成長するための指導であることを伝える必要があります。相手目線に立って、不快に感じないような指導を心がけてください。
例えば、業務上の指導であってもほかの人の前で非難するのは避けるべきです。部下が自尊心を損なうおそれがあり、業務上の指導を受けるのを苦痛に感じてしまいます。どのような場面でも、「だから〇〇さんはダメ」といった人格否定や「〇〇さんのせいで私の評価が下がる」といった自己保身に走ってはいけません。
部下への適切な叱り方がわからない方は、下記の記事を参考にしてください。
アンガーマネジメント研修を実施するのもおすすめ
アンガーマネジメントを習得するためには、研修を利用して体系的に学ぶのがおすすめです。
東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)では、心理学のメソッドを使った企業研修を行っています。コミュニケーションやリーダーシップ、人間力向上のための研修を実施しており、アンガーマネジメントの習得にも活用できます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
また、アンガーマネジメント研修を実施する上で、研修会社選びは重要です。研修会社の選び方で迷っている方は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:研修会社の選び方で押さえておくべきチェックポイントを徹底紹介
まとめ
企業を円滑に経営する上で、アンガーマネジメントは欠かせない概念です。生産性やチームワークにも影響を及ぼします。アンガーマネジメントを身に付ければ、自分のメンタルヘルスを守ることもできます。ぜひ、研修を活用してアンガーマネジメントを社員全体に習得させてください。