中堅社員の役割とは?求められるスキルや育成時のポイントも紹介

経験を活かして組織の発展を支える「中堅社員」の育成は、企業にとって重要な課題です。とはいえ、どのような役割を求めるべきか、どのようなスキルが必要か、具体的にイメージできていない方も多いのではないでしょうか。今回は、中堅社員の役割や求められるスキル、育成時のポイントを紹介します。中堅社員の育成で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。


この記事は約7分で読み終わります。

中堅社員が担う役割とは

まずは、企業の発展に欠かせない中堅社員の役割について、詳しくみていきましょう。

企業の利益に貢献すること

中堅社員は、企業の利益に直接貢献する役割を果たします。若手社員が知識やスキルを習得しながら業務をこなしている時期を経て、中堅社員は企業にとって即戦力となることが期待されます。営業職であれば、売上拡大や新たなビジネスチャンスを創出する役割を担い、バックオフィスであれば、業務の効率化や職場環境の改善を推進するといったイメージです。

さらに、中堅社員は自ら問題意識を持ち、課題を見つけて解決に取り組む姿勢が重要です。単に指示を待つのではなく、自ら問いを立て、解決策を提案し、それを実行に移すことが求められます。

中堅社員が自発的に改善策を提案し、実行することで、組織はより効率的に機能し、利益を上げられるのです。

上司と若手社員の架け橋となること

中堅社員は、上司と若手社員の架け橋となる重要なポジションです。若手社員と管理職の間に立ち、現場の状況や若手社員の意見を上司に伝え、逆に上司の方針や指示を若手社員にわかりやすく伝える役割を担います。

また、若手社員が職場に馴染めるように、悩みや不安を解消するサポートも中堅社員の大切な役割です。管理職からの指示だけではなく、現場で働く若手社員のリアルな声を拾い上げて組織の方針に反映させることも、中堅社員に求められます。

後輩を育成すること

経験をもとに後輩社員への指導を行うのも、中堅社員に求められる役割のひとつです。数年から10年ほどの実務経験を活かし、後輩社員に対して効果的な指導を行い、成長をサポートします。

また、後輩が成長しやすい環境をつくるために、フィードバックや指摘を適切に行い、モチベーションを高める役割も担います。

カウンセリングサービス『Clido』の詳細はこちら

中堅社員に求められるスキル

ここでは、具体的にどのようなスキルが中堅社員に求められるのかを紹介します。

ビジネスモデルの理解

中堅社員がビジネスモデルを理解することで、自身が担当する商材やサービスを深く知り、どのように顧客ニーズを満たすかを考えられるようになります。これにより、業務を進める上での判断基準が明確になり、チームや部門全体の目標達成に貢献しやすくなるでしょう。

例えば、サブスクリプションモデルの場合、業務を進める上では、いかに顧客を維持し、顧客生涯価値(LTV)を向上させられるかが重要になります。

キャリア観と成長意欲

キャリア観・成長意欲とは、会社で主体的にキャリアを築く意欲を持ち、その実現に向けて必要な自己成長を図るためのスキルです。

中堅社員には持続的な成長が求められます。異なる部署とのプロジェクト協働や、新たな事業領域への挑戦など、組織への貢献を目指しながらスキルを磨くことが重要です。

課題解決力

課題解決力とは、問題が発生したときに焦らず問題を明確化し、効果的に仮説検証しながら解決へと導くスキルです。

中堅社員は、問題解決が必要とされる場面に直面することが良くあります。そのため、課題を冷静に分析し、焦らず解決に導く能力が求められるのです。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、対人間で意思の疎通や情報共有・合意形成をするためのスキルです。中堅社員は、上司や部下・同僚・後輩など、立場の異なる社員と日常的に意思疎通を図る機会が増えるため、一定のコミュニケーション能力が求められます。

中堅社員に必要なコミュニケーション力は、相手を深く理解し、自分の言いたいことを相手にとってわかりやすい形で伝えることです。また、相手の関心を引き、興味を持ってもらえるように伝える能力も大切です。

中堅社員がこのようなコミュニケーション能力を持っていれば、業務の調整やチームの連携をスムーズに進められるでしょう。

リーダーシップ

リーダーシップとは、職場やチームの目標達成に向けて、他のメンバーに影響を与える能力のことを指します。

中堅社員は培ってきた人脈を活かし、周囲を巻き込む役割を担います。そのため、同僚や後輩、他の部署、社外の関係者とスムーズに連携するリーダーシップが求められるのです。

カウンセリングサービス『Clido』の詳細はこちら

中堅社員を育成する際のポイント

ここでは、中堅社員を育成する際のポイントを4つ解説します。

会社への貢献度を見える化する

中堅社員は、会社に対する貢献度を強く意識するポジションです。とはいえ、業務が多岐にわたるなかで「自分がどのように会社に貢献しているのか?」という点が不明確だと、無力感を感じてしまうことがあります。したがって、会社への貢献度を明確に可視化し、共有することが重要です。

例えば、営業職の場合は、月ごとの売上や案件獲得数などの共有が考えられます。一方、成果を数値化しにくい技術職や製造職などの場合、できるだけ定量的・具体的な目標を定め、モニタリングするのがポイントです。「〇〇さんの技術力に対し、クライアントから昨対比〇〇%アップの高評価をもらっている」といった形で明確に伝えましょう。

成長を実感させる機会をつくる

中堅社員は、業務のなかで自分の成長を実感しにくいフェーズに入っていることが多いです。この時期には仕事にマンネリ化が生じることもあります。成長が感じられないと、やる気が低下し、モチベーションを維持するのが難しくなるため、意識的に成長を実感できる機会をつくることが重要です。

具体的な方法としては、例えば次のようなアプローチがあります。

・1on1ミーティングを実施し、業務の進捗や達成した成果についてフィードバックを行う
・中堅社員のスキルアップに必要な研修やセミナーへの参加を促す

キャリアビジョンや目標を明確にする

中堅社員に持ち合わせていてほしいのが「キャリア観・成長意欲」ですが、今後の目標設定やビジョンに悩んでいる社員が多いのが現実です。特に、キャリアにおいてどの方向に進むべきかが不明確な場合、モチベーションが低下することがあります。

そこで、中堅社員を対象としてヒアリングやアンケート調査を実施し、キャリアビジョンや目標が明確ではない場合は、描きたいキャリアを明確に持てるようにサポートしましょう。中堅社員の描きたいキャリアと自社の求める能力に合った支援を実施することで、より具体的な目標を決めることができます。

さらに、自分を過小評価している中堅社員もいます。社員が本心や希望をしっかりと表現できるように後押しし、次のステップに挑戦できるようにすることが、成長を促進する上で重要です。

チャレンジの機会を用意する

中堅社員が、主体的な行動が難しいと感じていたり、モチベーションが低下していたりする場合は、企業側が新たなチャレンジの機会を提供することで成長につなげましょう。新しいチャレンジの機会を与えることで、社員は自分の能力を再確認し、モチベーションを取り戻すことができるでしょう。

例えば、次のようなアプローチが考えられます。

・新規プロジェクトのリーダーを任せる
・異なる部門の短期的なプロジェクトに参加してもらう

こうした機会を提供する際には、社員に過度なプレッシャーや負担をかけないような配慮が必要です。適切に支援をしながら、挑戦を後押しするようにしましょう。

カウンセリングサービス『Clido』の詳細はこちら

まとめ

中堅社員は企業の成長を支えるための重要な役割を担っています。利益への貢献はもちろん、若手社員の指導や組織全体の効率化を推進することが求められ、そのために問題解決能力やリーダーシップなどのスキルが必要です。

東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)では、心理学を活用した効果的なリーダーシップ研修を提供しています。企業のニーズに合わせたプログラムで、中堅社員の成長をサポートします。社員のモチベーション向上や組織力強化の実現にもご活用ください。

心理カウンセリングのプロに聞く「やる気のない部下の対処法」
人間力アップ