マインドフルネス研修で得られる効果とは?実施方法や注意点も紹介

生産性の向上や健康経営を目的としてマインドフルネスを導入する企業が増えています。大手企業が取り入れて実際に効果があったと耳にした方もいるでしょう。 ここでは、マインドフルネスの概念や効果、マインドフルネス瞑想の方法についてご紹介します。企業研修として取り入れる際の注意点についても解説していますので参考にしてください。


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注目の「マインドフルネス」とは

マインドフルネス(mindfulness)とは、意図的に「今、この瞬間」に集中して意識を向ける状態や過程を指します。「今、この瞬間」とは現在の自分の感情や思考、行為、行動などです。

マインドフルネスは、GoogleやApple、トヨタ自動車など大手企業も実践していることから注目を集めており、社員の精神面を整えて幸福度を上げることで、企業の生産性にも良い影響を与えるといわれています。

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マインドフルネス研修で得られる4つの効果

脳科学的にもマインドフルネスは効果が実証されており、ビジネスシーンにおいて効果が高いことから、近年ではマインドフルネスを活用した研修を実施する企業が多く見られます。

ここではマインドフルネスが企業にもたらすメリットや得られる効果について4つご紹介します。

1.集中力の向上

さまざまな業務を抱えているビジネスパーソンの頭の中は多くの思考が駆け巡っており、意識が分散しがちです。しかし、マインドフルネスにより心を落ち着かせることで、ニュートラルな状態で業務に取り組めるようになり、集中力を上げることが可能になります。

集中力が上がると、結果として生産性やビジネスパフォーマンスの向上につながります。

2.情緒の安定

マインドフルネスにはストレス軽減の作用もあります。瞑想などを行い自分の感情に意識を集中することで、ネガティブな面に向き合うことになります。ネガティブな感情を知覚することで、ストレスにも都度反応しなくなるため、平静を保てるようになるのです。

また自分の感情を冷静に見つめることで、感情をコントロールできるようになるだけでなく、ストレスの軽減にもつながります。

3.創造力の向上

創造性は、リラックスしている状態で最も働くとされています。マインドフルネスには脳を休ませるリラクゼーション効果があると期待されています。リラクゼーション効果により副交感神経が優位となり、自律神経が整えられるのです。

またマインドフルネスは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増加させるといわれています。セロトニンが増加すると、フロー状態に入りやすくなります。フロー状態とは、目の前のことに集中、没頭し、ひらめきが起こりやすい状態のことです。

また、マインドフルネスで心を整えることにより、目の前の問題にフラットな精神状態で取り組めるようになり、自由な発想が得られるようになるでしょう。

4.リーダーシップの向上

アメリカのスタンフォード大学の研究によると、リーダーシップには自己認識力が最も重要だとされています。

自己認識とは、今現在、自分の内外で起こっている状態を客観的に分析し、そこから発生する自分の感情に気づくことをいいます。

マインドフルネスを行うことで自己認識力は向上し、結果としてリーダーシップが高まるでしょう。

また自己認識力が高まると、レジリエンスの向上にもつながります。逆境から立ち直り成長する能力であるレジリエンスを高めることができれば、リーダーとして十分な力を発揮できるようになるでしょう。

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【3step】マインドフルネスの実践方法

マインドフルネスは「今、この瞬間」に意識を向ける状態のため、歩いたり掃除をしたりなど日常生活を通してでもできます。

けれども最初のうちは、マインドフルネスの状態を作りやすいマインドフルネス瞑想をおすすめします。

マインドフルネス瞑想は簡単な3ステップでできますが、形だけでなく自分の内なる状態に意識を向けることが何より重要です。早速みていきましょう。

Step1.姿勢を整える

まずは脳への酸素循環が良くなるように姿勢を整えます。

姿勢は、床にあぐらをかいた状態で座り背筋を伸ばします。お尻の下には座布団などを敷いても大丈夫です。

姿勢を整えることが大切なので、座り方はあぐらでも正座でも良いですし、椅子に座っても構いません。

次に、手のひらを下に向けて床や太ももに置きます。目は見開くでもなく閉じるでもなく優しく開いた状態で伏し目がちにします。1.5〜2メートル先の床をぼんやりと眺めるように意識しましょう。仏像の眼差しをイメージすると良いでしょう。

Step2.腹式呼吸で深く呼吸する

瞑想時の呼吸は腹式呼吸で10秒に1回のペースで行うのが良いとされています。4秒かけて息を吸い、6秒かけて吐きましょう。

腹式呼吸では、息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにへこませます。呼吸のリズムに合わせて、お腹の動きもゆったりと行います。吸い込んだ息が身体のすみずみまでしっかりと行き渡るイメージを持つとより効果的です。

Step3.意識を呼吸に集中する

瞑想時は、自分の呼吸に意識を集中します。数を数えながら、吐く、吸う、という動作を感じましょう。

集中しようと思っていても、思考が逸れて別なことを考えてしまう場合があります。別の思考が頭をめぐっても追いかけることなく、すぐに呼吸に意識を戻すように何度も練習しましょう。

繰り返していくと次第に心を整えることができるようになります。マインドフルネス瞑想の時間は決まっていませんが、5分程度でも効果があります。

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マインドフルネス研修を成功させるには

マインドフルネスを企業として導入する場合、社員個人に自発的な取り組みを促して習慣化させるというのはそう簡単なことではありません。この場合、企業自らが研修を継続的に実施する旨をアナウンスしていくことで、定着しやすくなります。社員が習慣化しやすいように、次の3点に注意して研修を実施しましょう。

マインドフルネスの重要性を理解してもらう

マインドフルネスの重要性を理解することで、社員の内発的モチベーションはアップします。マインドフルネスの意義を社員に説明できるように、まずは担当者がマインドフルネスについて理解を深める必要があります。

社員の理解度を深めていくことで社員一人ひとりが主体的に取り組むようになり、組織全体へと効果は広がっていくでしょう。

社員によってはマインドフルネスについてスピリチュアル的なイメージを抱いている人も少なくありません。企業研修として行う際は、科学的な効果やビジネスにおけるメリットについて論理的に説明することも大切です。

負の感情と向き合うサポートをする

マインドフルネスは自身の心に目を向けるため、ネガティブな感情にも向き合う必要があります。ネガティブな感情との向き合うのが苦手な人には悪影響になる場合もあります。

そのようなことにならないように、研修ではネガティブな感情と向き合ったときの対処法も伝えるようにしましょう。

マインドフルネスを続けて自己認識力が高まれば、偏ったネガティブな思考からも離れやすくなります。導入時には必ず社員全員のサポートを行うようにしましょう。

次のアクションにつなげる

マインドフルネスは継続することで効果を発揮します。研修後も続けていけるように、研修実施後に社員が得られた効果を認識できる時間を持ちましょう。

例えば、社員一人ひとりと向き合い、マインドフルネスによって得られた効果をどのようにビジネスに活かせるのかについて話し合うと良いでしょう。研修時の精神状態や高揚感を今後も実感できれば、マインドフルネスの継続に繋がりやすくなります。

マインドフルネスを導入したいと考えても、マインドフルネス研修を自社で実施して成功させることは簡単ではありません。企業の研修サービスを提供している専門の会社に依頼するとスムーズに進むでしょう。

東京・ビジネス・ラボラトリーは、社員の潜在能力を引き出すために心理面での企業サポートを行っています。企業研修、メンタルヘルス顧問、経営者サポートなど、心理学を基にしたさまざまな方法により人間力アップをお手伝いします。

マインドフルネスを導入したいとお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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まとめ

マインドフルネスは、「今、この瞬間」に意識を集中している状態や過程を指します。集中力や創造力、リーダーシップの向上、情緒の安定などの効果が得られるといわれています。

マインドフルネスは簡単な3ステップで行えますが、組織として定着させるためには研修をして社員一人ひとりへ働きかけることが重要です。自社で行うのは簡単ではないので、研修サービスを提供している会社に依頼すると良いでしょう。