消極的な社員がこれで変わる?!ネガティブ社員の特徴と対処法

皆さんの職場には、常にグチや否定的な発言、行動ばかりしている人はいませんか。 もちろん、誰でも気分が沈むことはありますが、それが毎日のように繰り返されるネガティブ社員の存在は、周りにも悪影響を及ぼします。 社内のモチベーションが下がり、社外からの評価も下がる可能性があるので、そうなる前に早めの対応が必要でしょう。 今回は、そんなネガティブ社員の特徴と対策について解説していきます。


この記事は約12分で読み終わります。

ネガティブ社員の特徴は?

まずは、どの社員がネガティブなのか見抜きやすくなるように、特徴となる性質を解説します。

物事を消極的に考える

失敗を極度に恐れていることから、物事に対して否定的なイメージを最初に抱きやすい傾向にあります。

新しいチャレンジなどはリスクを中心に考えるため、希望や楽しみなどの期待をすることはほとんどありません。

また、些細なトラブルやミスも大げさに捉えがちで、「責められるんじゃないか」「怒られないだろうか」と常に不安を感じているでしょう。

周囲からの助言やアドバイスがあっても、なかなか取り入れられず視野が狭くなりがちです。

思い込みも強いため、自身の主観だけで考えて行動しやすくなり、偏った判断しかできなくなる場合もあります。

業務としては、新しい仕事やプロジェクトなどに消極的となり、挑戦が必要なことは避けるようになるでしょう。

これらの根底には、責められたくないという気持ち以外にも「どうせ自分は何をやってもうまくいかない」という考えが根付いていることが原因です。

変化を恐れる

新しい物事に取り組むことを否定的に考えているため、変化に対しても柔軟な対応ができません。

人は挑戦と失敗を繰り返し、次はどうすれば成功するかと考え実行することで成長していきます。

しかし、ネガティブ社員の場合は変化を恐れるあまり、挑戦も成功のための試行錯誤も行うことができません。

つまりそれは、成長する気がないという捉え方もできるでしょう。

どのように周囲から促されても、変化を避けて自身の考え方を改めようとしないのも特徴的です。

また、誰しも行動を起こす前には、ある程度のイメージをして実行に移します。

もともとは慎重なタイプでもあるネガティブ社員の場合は、このイメージの中ですべてを完結させてしまう傾向にあるのです。

主にマイナス面にフォーカスしたイメージを行い、リスクを最大限に考慮して判断するため、結果として何も行動しなくなります。

周囲に不満をもらす

何かうまくいかないことや気に入らないことがあると、すぐに愚痴や不満をこぼす傾向にあり、これは周りに悪影響を広げる原因にもなります。

「あの人がいるとモチベーションや仕事に影響する」という声があがっている場合は、その人がネガティブ社員である可能性が高いでしょう。

状態がエスカレートすると、攻撃性や被害者意識が高まるケースもあり、ときとしてハラスメントにつながる危険性もあるのです。

また、不満以外に言い訳が多くなるという特徴もあります。

失敗やできなかったことに対して「でも」「だって」「忙しくて」という言葉が多い社員には気をつける必要があるでしょう。

このような言い訳をすることは、責任から逃れることで責められたくない、注意を受けたくないと、という考えに基づいている場合が多くあります。

目次へ

TBLの詳細はこちら

ネガティブ社員が「ネガティブ思考」になってしまう理由

どのような考え方にもその要因はあり、ネガティブな思考になってしまったことにも理由があります。

原因を知ることで対策もしやすくなりますので、ネガティブ社員についてさらに理解を深めていきましょう。

自分に自信がない

最も根本的な部分になりますが、自己肯定感が低いことはネガティブな思考に陥る原因となります。

自信がない状態では、文字どおり自分を信じることができず、肯定的な考えが持てません。

周囲に対してだけではなく、自分自身にも否定的で悲観的な考えを持ちやすいでしょう。

このような考えになった背景には、成功体験が少ないことが関係しています。

取り組んだことが失敗に終わってしまった、という経験が多いと感じている人は、新しい行動に希望が持ちにくくなるでしょう。

そうなると、ネガティブなイメージを持ちやすくなり、行動も起こせずに成功体験を積むことができなくなります。

その状況でさらに自信を失くして失敗しやすくなるため、どんどん悪循環にはまることになるのです。

すべてのことに不安感のある状態になると、周りからの何気ない助言やアドバイスでさえ、責められていると感じるようにもなります。

挫折経験を引きずっている

努力したのに見返りがなかったという経験があると、その挫折感からネガティブな思考になる場合があります。

学生の頃であれば、受験の失敗、部活の大会などでの敗北があるでしょう。

もちろん社会に出てからも、大きな取引や一大プロジェクトでミスをすることも考えられます。

それらのことがきっかけとなり「自分は努力しても無駄」という思考になる可能性があるのです。

何をしても上手くいかないという気持ちになってしまうと、やはり行動力や挑戦心は薄れていくことになるでしょう。

大きな挫折の後では気持ちもマイナス方向に行くため、先ほども説明した成功体験を積み重ねることが難しくなるかもしれません。

育った環境にもよる

同じような体験や挫折を経験しても、ネガティブな思考にならない人もいますが、その違いには今まで生きてきた環境の影響もあるでしょう。

影響力が大きいものとしては人間関係があげられます。

性格の形成やストレス耐性には人との関係性が大きく関与しており、周囲の状況によっても考え方は変化するものです。

例えば、愚痴や文句、批判ばかりを繰り返す人と長期間一緒に過ごしていると、その人と同じような思考をしやすくなります。

また、周りに認めてくれる人が少なく、逆に否定されることが多かった場合は自己肯定感が失われるでしょう。

このように、ネガティブ社員になった背景にはさまざまな要因があるため、「大丈夫だから自信持って」や「ネガティブな言葉は控えるように」と声をかけるだけでは改善が難しいかもしれません。

目次へ

TBLの詳細はこちら

ネガティブ社員が組織に悪影響を及ぼすことも

ネガティブ社員を抱える企業のなかには、そのような社員のことを「あの人はネガティブだから」といった言葉で片付け、他人事のように感じる人も多いでしょう。

しかし、ネガティブ社員は、場合によって組織全体に悪影響を及ぼす可能性があります。ネガティブ社員が組織内にいることで起こりうる現象は以下のとおりです。

周囲に影響を及ぼす「プライミング効果」

プライミング効果とは、これまで受けてきた刺激が、気づかないうちにその後の行動に影響を与えていたという、心理的な効果のひとつを指します。つまり、先にネガティブな情報を与えられることにより、後の判断がネガティブさの影響を受けるといった現象です。

反対に、ポジティブなイメージを植え付けられていれば、後の判断が同じくポジティブなものになるという効果が期待できます。

つまり、たった一人のネガティブ発言が、周囲の社員にもネガティブな感情を植え付ける可能性があるということです。

他の社員のヤル気を下げる可能性もある

プライミング効果により、ネガティブ社員による消極的な発言や不満が原因で、ほかの社員のやる気を下げる可能性も考えられます。

日々何度も繰り返されるネガティブな発言により、周囲の社員もその発言が正しいと思う恐れがあるのです。

「こんなことをしても意味がない」「どうせ契約は取れない」などの消極的な意見は、前向きに努力している人の気持ちを阻害します。そのような環境が日常化すると、周囲の社員のモチベーションを高めようとする意欲はなくなってしまうでしょう。

新しい発想、生産性の向上を阻害する可能性もある

消極的な発言ばかりが刷り込まれると、新しい発想が生まれず生産性が向上しない恐れがあります。ポジティブな発言や空気に包まれているチームであれば、アイディアを言い合いながら社員同士が切磋琢磨する環境が生まれます。

しかし、意欲的でない姿ばかりを目にしていれば「新しいことにチャレンジしよう」「現状を改善しよう」といった気質が育ちにくくなるのです。生産性が下がることは、企業にとって大きな悪影響といえるでしょう。

目次へ

TBLの詳細はこちら

【上司】ネガティブ部下の思考を変える方法

ネガティブな考えをもつ部下を放置していると、企業全体に悪影響を及ぼしかねません。早急に対応すべき事案といっても過言ではないでしょう。

ネガティブ社員への対応法には、上司が取るべき方法と、同僚など周囲の社員が取るべき方法があります。まずは、ネガティブ社員に向けた上司の対処法について説明します。

上司との面談で問題点を自覚させる

ネガティブな発言を繰り返す部下は、自分自身がその現状に気付いていない可能性もあります。そのため、上司と1対1による面談を行い、自身の抱える問題点を自覚してもらう必要があるでしょう。

面談に臨む前に、上司はネガティブ社員の抱える問題を明確にしておきます。「勤務態度が悪く周囲が迷惑をしている」「後ろ向きな発言により同僚が自信を失くしている」など、ネガティブな言動によってどのような問題が起きているか確認が必要です。

面談の際は、ネガティブな言動が職場や取引先などにどのような影響を及ぼしているか具体例を挙げます。実際にあったシーンを説明すると、情景が浮かびやすいでしょう。また、ネガティブな言動を改めることで、どのような効果が得られると想定されるか伝えましょう。

部下が自覚したところで「なぜそのような言動をしてしまうのか」といった、ネガティブ社員の思いを受け止めることも大切です。誰にも相談できない悩みを抱えている可能性もあります。一方的な面談にならないよう、部下に不満を吐き出させるチャンスを与えましょう。

社内での役割を明確にする

ネガティブ社員は自信を失っている状態でもあり、自分の存在意義を見出すことができません。

そこで、できる範囲の仕事を任せて責任感を持たせることが重要になります。

社内にもそれぞれで役割があり、自分もその中の一員として必要とされている、そう感じられるように促しましょう。

また、小さなもので良いので目標を掲げ、達成することで少しずつ成功体験に結び付けられる可能性もあります。

社員が改善し成長していくためには時間がかかりますので、中長期的にアプローチする必要があるでしょう。

強みを活かせる仕事を振る

その社員の得意とすることや好きな業務は何でしょうか。

ネガティブ社員という位置付けだけで認識していると、周囲もその人の正しい個性を見失っているかもしれません。

しっかりと強みを活かせる仕事を与えることで、自信が身に付き消極的な思考が改善する可能性があります。

また、ネガティブな考えは思い込みによるものが多いとされており、不要な思い込みを失くさせることが大切です。

そのためには、正しい知識や心理学に基づいた対応が必要になります。

東京ビジネスラボラトリーの社員向けセミナーなら、心理学のメソッドにより、ネガティブな思い込みを失くすことが可能です。

思い込みを排除することで、本来の自分の力が発揮されるようになります。

豊富な実績のある講師陣でサポートしますので、ネガティブ社員にお悩みの方はぜひ東京ビジネスラボラトリーにご相談ください。
お問い合わせはこちらから

「ネガティブ社員を成長させる」心構えをもつ

「ネガティブな言動によって迷惑をかけられている」といった思いが強すぎると、つい態度にも出てしまうでしょう。当の本人には、煙たがられているような印象を与えてしまいます。

そのため、ネガティブ社員と接する上司は、なんとか成長させたいという気持ちをもって接することが大切です。この気持ちがなければ、前述した強みを活かした仕事分配などの取り組みは成功しないといえるでしょう。

一般的な社員と比べ、ネガティブ社員は失敗や挫折のダメージを受けやすい傾向があります。辛いことがあれば、ネガティブな気持ちに拍車をかけかねません。

そのため、ネガティブ社員を成長させるといった意識の元、できたことに対して認めたり、誉めたりする姿勢が求められます。たとえ、どんなに小さな成果であってもネガティブ社員にとって大きな自信につながるでしょう。

しかし、たった一度の対応により劇的に変わるのは難しいものです。仕事を任せて、できたことを認めるといったサイクルを積み重ねていくうちに、ネガティブ社員に変化が現れるでしょう。

目次へ

TBLの詳細はこちら

【同僚】ネガティブな同僚との付き合い方

ネガティブ社員には、上司からの信頼や自信につながる評価が必要不可欠です。しかし、上司ひとりの力でネガティブ社員を変えるのは安易ではありません。

ネガティブ社員の根本的な考え方を改善するためには、同じ職場の社員にも協力してもらう必要があります。ここからは、同僚ができるネガティブ社員との付き合い方について紹介します。

不要な気は遣わず誤りを指摘する

ネガティブ社員と一緒に働く同僚のなかには「注意したらまた落ち込むかもしれない」「何を言っても響かないから面倒だ」と感じている人も多いでしょう。

しかし、ネガティブ社員自身も、自分の言動が原因で疎外感をもっている可能性があります。また、同僚からの態度により、ネガティブな感情が膨れ上がっている可能性も考えられます。

そのため、同僚は無視したり冷たい態度を取ったりせず、同じ職場のメンバーとしてふさわしい言動を取ることが大切。つまり「落ち込むから指摘しない」といった対応は逆効果になる場合があるのです。

もし、あいさつや職場でのマナーを守らないネガティブ社員がいるならば、同僚として指摘する必要があります。あいさつや職場での心遣いは、人間関係を円滑に進めることにつながります。ネガティブな性格に遠慮せず、生産性を上げるうえで必要なことであると指摘しましょう。

ネガティブ社員を貶めるような言動はNG

ネガティブな言動を繰り返す同僚に愛想を尽かし、迷惑に感じている人も少なくないでしょう。なかには、そのような社員をターゲットとして悪口を言ったり、嫌がらせをしたりする同僚がいるかもしれません。

ネガティブ社員によって、明らかに自身のモチベーションが下げられていると感じる場合、黙って見過ごすわけにはいかないという気持ちもあるでしょう。

しかし、そのような態度は、ネガティブ社員の「どうせ私なんて」「やっぱり自分はこの会社には必要ないんだ」という気持ちを後押しする形になります。相手を責め立てることでストレス発散になるかもしれませんが、自身の評価を落とすだけでしょう。

同僚としてネガティブ社員を貶めるような態度は取らず、偏見をもたずに接することが大切です。どんなに嫌いな相手でも、無視や冷たい態度を取ることなど、自分がされて嫌なことはやめましょう。

諦めずに向き合う

同僚としてネガティブ社員への接し方を工夫しても、何も改善されないケースもあります。人はすぐに変わることはできません。しかし、諦めずに向き合い続けることで、ネガティブ社員に小さな変化が生まれる可能性があります

同僚からの温かい対応や上司からの信頼を得て「職場で自分が必要とされている」「自分に居場所がある」と実感できれば、ネガティブ社員の言動も少しずつ変化するはずです。

しかし、ネガティブ社員と接するなかで辛さを感じることもあるでしょう。どんなに働きかけても変化がない場合は、苛立ちを感じても無理はありません。そのような場合は、必ず上司や同僚に相談し、ストレスを溜めないよう注意しましょう。

目次へ

TBLの詳細はこちら

まとめ

今回はネガティブ社員の特徴と対策について解説しました。

周囲に愚痴をこぼして物事に消極的になってしまう背景には、自信のなさや挫折体験が影響しているようです。

小さな成功体験を積み重ねることができると、少しずつ改善する可能性もあります。

さらに思い込みによるネガティブ思考を除去できると、本来の力が発揮できるようになるでしょう。