心理的安全性が低い職場の原因とは?放置するリスクや高める方法を解説

企業の生産性を向上させるために欠かせないのが「心理的安全性」です。心理的安全性が低い状態を放置するとさまざまなリスクが生じ、企業の成長を阻害するおそれがあります。しかし、心理的安全性の必要性や具体的な高め方がわからない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、心理的安全性の重要性や低くなる原因、高める方法を詳しく解説します。


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心理的安全性が低い原因

心理的安全性を低下させる原因は、職場内の「対人リスク」にあるといわれています。ここでは、心理的安全性を低下させる原因の具体例を紹介します。

無知だと思われる不安がある

上司や先輩に業務について質問をする際に「こんなことも知らないのか」「前に教えたのにわからないの?」などと返されないか、不安に感じた経験のある方も多いでしょう。簡単な質問もしづらいと感じてしまうのは「無知だと思われる不安」があるからです。

社員が「無知だと思われる不安」を感じて、質問や確認を控えるようになると、業務のミスや不備が起こりやすくなります。

無能だと思われる不安がある

何らかのミスをした際に「こいつは仕事ができない」と思われないか不安になった経験のある方もいるでしょう。仕事ができないことを過度に不安に感じるのは「無能だと思われる不安」を抱えているためです。

社員が「無能だと思われる不安」を感じると、些細なミスやトラブルを報告することをおそれるようになり、大きな問題に発展する可能性があります。

ネガティブと思われる不安がある

自分が発言をする際に「否定的な意見だと職場の和を乱すのではないか」と不安に感じてしまう方もいます。否定的な意見を出しづらくなるのは「ネガティブと思われる不安」があるからです。

社員が「ネガティブと思われる不安」を抱えると発言をしなくなります。新たな気づきやアイデアが提案されなくなるため、会議やミーティングが停滞しやすくなります。

邪魔と思われる不安がある

自分が発言をすることで「議論の邪魔になるのではないか」「チーム内の空気が悪くなるのではないか」と不安になる方もいます。会議中に発言をしづらいと感じるのは「邪魔と思われる不安」があるからです。

社員が「邪魔と思われる不安」を抱えると、意見が上がりにくくなるため、事故やトラブルにつながる可能性のある不安点が報告されなくなります。業務内容や経営方針を改善するための提案も出にくくなるでしょう。

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心理的安全性が低い状況を放置するリスク

心理的安全性が低い状況を放置すると、4つのリスクがあります。ここでは、それぞれの具体的な内容について紹介します。

社員のモチベーションが低下する

心理的安全性の低い職場は「提案や意見を聞いてもらえない」という雰囲気があるため、社員のモチベーションが低下しやすくなります。仕事の裁量権を感じづらくなるため、熱量や意欲も低下するでしょう。

社員は自ら進んで働くことをしなくなり「仕事をしている様子を演出する」ようになります。与えられた仕事だけを淡々とこなす状態になるケースも少なくありません。

また、部下のモチベーションについては、心理的安全性以外にもさまざまな要素が影響します。下記の記事では、部下のモチベーションを上げる方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

部下のモチベーションを上げるには?適切なやり方やポイントを解説

生産性が低下する

社員の仕事に対するモチベーションが低下すると、生産性も低くなります。商品やサービスのクオリティも低くなりやすく、業績の低迷を招くかもしれません。

業績が悪くなると必然的に社員の給与や賞与が下がり、より社員のモチベーションが低下します。職場がこの悪循環に陥ってしまうと、簡単には状況を改善できません。早めに社員のモチベーションを高めるための施策を講じることが大切です。

トラブルに対応しづらくなる

心理的安全性の低い職場は、情報の共有がうまくいかずトラブルに対して迅速な対応ができません。違和感に気づいても発言ができないため、対応が遅くなり重大なトラブルや事故につながる可能性もあります。

社員のメンタルが不調になりやすい

モチベーションが上がらない職場は、離職者が増加し、社員の定着率が下がります。離職せずに働いている社員は、退職した社員の分、穴埋めをしなければなりません。それにより、社員一人あたりの負担が大きくなり、ストレスを抱えてメンタル不調を引き起こしてしまいます。

結果として、さらに離職者が増えるという悪循環に陥るおそれもあります。企業の存続を脅かす可能性もあるため、早めに心理的安全性を高めなければいけません。

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心理的安全性を高める方法

先述のように、心理的安全性が低い状態はさまざまなリスクがあるため、放置せずに早めに改善する必要があります。ここでは、心理的安全性を高める方法を紹介します。

外部研修を活用する

外部研修を活用すると、自社にはなかった価値観や文化を取り入れられます。固定概念がなくなり、心理的安全性を高めるための第一歩になる可能性もあるため、まずは外部研修を受講してみるのがおすすめです。

どの外部研修を利用すれば良いかわからない方は、東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)の企業研修を活用してみてください。企業研修を受講すれば「自社の心理的安全性が低い理由」「どうすれば心理的安全性を高められるか」などが明確になり、職場の環境を大きく変えるきっかけになります。まずはお気軽にお問い合わせください。

面談を定期的に行う

心理的安全性が低い要因のひとつに「コミュニケーションの不足」があげられます。コミュニケーションの機会を増やすために有効なのが、定期的な面談です。中でも1on1面談は社員の本音を引き出しやすく、特に効果が高いといわれています。

面談の際は、いかに効果的な質問を投げかけられるかが重要になります。具体的な質問例や意識すべきポイントは、ぜひ下記の記事をチェックしてみてください。

部下との面談で使える5つの質問例を紹介!意識すべきポイントも解説

意見を言い合える場を設ける

心理的安全性の高い職場を目指すためには、年齢や役職を問わず、誰もが安心して自分の意見を発信できる環境を作ることが必要です。

意見を言い合う際は、誰かの発言を否定するのを避けて、じっくりと耳を傾けるように意識してください。社員は徐々に発言することに慣れていき、心理的安全性の高い職場になります。

社員一人ひとりの価値観を尊重する

心理的安全性を高めるためには、すべての社員が「自分が受け入れられている」と感じる環境を作る必要があります。そのためには、多様な価値観を尊重する考え方が欠かせません。

まずは多様な価値観が存在することを認めましょう。自分と異なる価値観の否定を避ければ、社員は自分が受け入れられていると感じやすく、心理的安全性の向上につながります。

相手を称賛し合う文化を作る

心理的安全性を高める上で役立つのがビアボーナスです。ビアボーナスとは、社員同士が成果や貢献を評価し、報酬をプレゼントし合うシステムです。

ビアボーナスを導入すると、お互いを認め合う文化が醸成されます。社員は職場で必要とされていると感じ、心理的安全性も向上するでしょう。

問題をポジティブに捉える

上司が否定的な意見を出す職場は、ネガティブな雰囲気になりやすい傾向があります。そして、ネガティブな雰囲気の職場は、社員のモチベーションを低下させます。

問題が起こった際には、ついネガティブな発言をしてしまいがちですが、ポジティブに捉えて行動しましょう。上司がポジティブに行動していれば、部下も物事をポジティブに捉えられるようになり、職場の心理的安全性は向上します。

完璧を求めないようにする

完璧な状態でなければ意見が言えないと考えている社員は少なくありません。完璧を求めすぎると社員は萎縮します。完璧を求めないようにすれば、社員の素直な意見を引き出しやすくなり、心理的安全性の向上にもつながります。

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まとめ

心理的安全性が高い職場は、社員全員が不安やおそれを感じることなく、自由に発言や行動ができます。個々の力を最大限に発揮しやすい状態であることは、企業の生産性の向上のために欠かせない要素です。今回紹介した内容を参考に、心理的安全性の改善に努めましょう。