目次
反抗的な部下の対処法①理由を考えてみる
反抗的な部下で悩んでいるとしたら、まずはなぜそのような態度をとるのか理由を探ってみましょう。ここからは、部下が反抗的になる主な原因を紹介します。
上司である自身の問題
部下の態度が悪く反抗的になる理由として、上司であるあなた自身に問題がある場合も少なくありません。まずは自分を振り返って見直すべき点がないかを確認しましょう。
特に、ほかの人への態度は悪くないのに自分にだけ歯向かってくる部下がいたり、ほとんどの部下の態度が悪かったりする場合は、自身に反省すべき点がある可能性が高いといえます。落ち度がないか見つめ直し、態度を改善することが必要です。
上司と部下の関係になったばかりでまだ信頼関係を築けていない場合や、信頼を失う言動をとってしまった場合も、部下の態度が反抗的になることがあります。
部下は上司の言動をよく見ています。言っていることとやっていることが違ったり、人によって態度を変えたりすると、信頼に値しない人間だと思われてしまうでしょう。またいつも自信のない態度をとっていると、部下につい軽く見られてしまうこともあります。
本人の性格によるもの
誰にでも態度が悪い場合は、本人の性格により反抗的になっている可能性が高いでしょう。
ただし、多くの場合、本人自身、自分の性格に問題があるとは思っていません。なぜなら、その人にはその人なりの理由があるからです。そのために、周囲が注意をしても、意地を張ってしまい、さらに反抗的になってしまうケースも少なくありません。また負けず嫌いで自分が一番でなければ気がすまない人は、自分の思いどおりにことが進まないとイライラとして態度が悪くなることがあります。
こういった場合、周囲からは、自信過剰な人と見られることがありますが、実際には反対の場合もあります。
「役に立つ人間でなければ生きている価値が無い」「有能な自分を見せないと会社から必要だと思われない」といった思い込みから、いかに自分が優秀かということ表現しなくてはいけないと思い込んでいるのです。
こういった人は、ほかの人に対抗してなにか一言いわずにはいられないため、本心では認めていても他人の意見に否定的な意見を返しがちです。
強いこだわりがある人も、とっさに反抗的な態度をとってしまいます。自分のやり方に固執するため、上司の指示に対して反射的にムキになって否定したり、従わずに自分のやり方を押し通したりするケースが見受けられます。
不満がある
不満があると人はイライラしやすいものです。不満があるのに口にできない、不満を伝えているつもりなのに改善される傾向が見受けられない場合、自然と反抗的な態度になってしまいます。
口にできない場合、本人は反抗的な態度をとっていると自覚していない可能性もあります。自分を認めて欲しい、自分の考えを聞いて欲しい、自分の意見を採用して欲しい、という願望が、不満げな態度として表に出ているのです。
小さなストレスでも、積み重なれば大きな不満となります。上司からするとたいしたことがないように感じても、部下にとっては大きな不満になり得ると心にとめておきましょう。
代弁している
正義感の強い部下であれば、ほかの同僚たちの気持ちを代弁して反抗的になっているのかもしれません。上司へ不満はあるのものの、態度に出さない部下がいることも少なくないでしょう。
気が弱かったり、我慢強かったりして上司への不満を態度や口には出せない同僚の分まで、反抗的な部下が肩代わりしているのです。
性格に問題がありすぐにイライラしてキレる人は同僚にとってもやっかいな存在ですが、仲間の代弁している人は、自分の代わりをしてくれていると同僚から一目置かれるという特徴があります。
反抗的な部下の対処法②日頃からできること
部下に対する日常的なアプローチを変えることで、部下の気持ちにも変化が出てきます。日頃の付き合いを通じて、部下の心のわだかまりをほぐし、信頼関係を築くことが大切です。
コミュニケーションを取る
信頼関係を築くには、日頃からしっかりコミュニケーションをとることが重要です。年齢や立場が異なると、ただでさえ価値観が異なり共通の話題も少なくなりがちです。
反抗的な態度の部下ともなると、互いに苦手意識があり必要最低限の会話しかしない人もいるのではないでしょうか。
しかし、積極的に上司のほうからコミュニケーションを働きかけ、よく部下の話を聞いてみることが大切です。普段の会話から、反抗的な態度をとる理由が分かるかもしれません。
反抗的な部下でもしっかり会話しコミュニケーションを取る中で、意外と分かり合えることがあります。お互いの信頼関係を築くことで、不満に思っていることも改善点として意見を出してくれるでしょう。
部下を認める
自立心のある部下であればあるほど、上司が認めてくれないことにいらだちを覚えている可能性があります。自分のやり方があるのに、上司からいちいち口を出されることに反発しているのかもしれません。
上司の立場からすると部下には心配な点もあるかもしれませんが、まずは部下を信頼し仕事を任せてみることも大切です。
上司としては、確認やアドバイスをしているつもりでも、部下からすると信用されていない、自分の意見はすべて否定されていると感じていることも少なくありません。
部下は上司に認められていると感じることで、責任感が増し業務への意欲もわいてきます。部下自身の能力が十分に発揮できることでしょう。
部下が業務を遂行するうえで、相談や助けを求めてきたりする場面があるかもしれません。そのときは、これまで経験を生かしてフォローすることで、より部下の信頼を得ることができるでしょう。
反抗的な部下の対処法③話し合いをする
反抗的な部下を理解するには、部下の本音を聞くことも重要です。定期的な面談があるのであればその際に、なければ場を設けて、部下と直接話し合ってみましょう。
ここでは、話し合いをする際のポイントを紹介します。
上司から歩み寄る
自分にとって反抗的や否定的な態度をとる部下に対して、良い気持ちを持つものではないでしょう。できるだけ関わりを避けたいと考えてしまうかもしれません。
しかし、部下との関係を良くしたいのであれば、感情的にはならず自分から歩み寄ることが大切です。
まずは部下の言い分を聞いて、部下への理解を示しましょう。受け入れがたい意見だったとしても、いったんは「なるほど、そういう考え方もあるのか」と受け入れる姿勢を示します。
部下が反抗的な態度をとっているとき、上司にまったく問題がない場合は多くありません。部下の意見を聞いて、自分に直せることがあるのであれば、上司自らが変わっていきましょう。他人を変えることは難しくても、自分の言動は変えられます。
話し合う際には対等に接する
話し合いの場を設けて、反抗的な態度をとる理由を直接聞くことで、改善策につながります。
自分や同僚が上司や職場に不満があって反抗的な態度をとっていることもあれば、意図したわけではなく性格上の問題で、反射的に口答えや反抗的な態度をとっているだけかもしれません。
話し会う際は、対等な立場で話すことが重要です。部下の意見に納得できなくても、すぐに否定はしないようにします。部下の意見を十分に聞いたうえで、改善するにはどうしたら良いか協力して考えていく姿勢を示しましょう。
上司という立場上、無意識に高圧的な言い方をしてしまうことがあります。この話し方は、話し合いの場に限らず、部下からの不満を得やすいものです。アドバイスや説教にならないように、部下が話しやすい雰囲気をつくりましょう。
第三者に入ってもらう
関係がこじれすぎていると、直接話し合っても解決に向かわない場合あります。二人での話し合いがうまく進まない場合は、間に入ってくれる人を探しましょう。
この時、頼む人は、どちらの肩を持つことも無い中立的な立場の人にお願いすることが大切です。人事部の中で、社員の相談などを担当している方などが、担うことが多いでしょう。
ただし、同じ職場のなかですと、なにかしらのしがらみがあったり、人事評価への影響が気になる場合などがあります。
そのため、外部のリソースを活用することも効果的です。
ビジネスの世界では、コミュニケーションスキルは重要です。心理学のメソッドを用いてサポートする、東京・ビジネス・ラボラトリーの企業向けセミナーであれば社員一人ひとりが、ネガティな思い込みに気づき、成長する手助けができます。
反抗的な部下を含めた人材育成にお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
反抗的な態度をとる部下には、その理由があります。本人だけでなく上司に問題があるケースも少なくありません。まずは上司から歩み寄って、部下が反抗的な態度をとる理由を理解しましょう。