部下のマネジメントに悩んでいる方必見!必要な能力とスキルアップ方法

「部下のマネジメントが思うようにいかない…」「部下とうまく連携が取れない…」マネージャーなら誰もが悩む問題ではないでしょうか。 この記事では部下のマネジメントに悩むマネージャー向けに、マネジメントがうまくいかない原因、部下を育てるマネジメントのコツ、マネージャーが身に付けるべきスキルをご紹介します。 ぜひこれを機に、ご自身のマネジメントはどうかを振り返り、何をしていけばうまくいくかを考えてみましょう。


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部下へのマネジメントがうまくいかない原因

部下へのマネジメントを成功させるために、まずはうまくいっていない原因を探ることが大切です。

ご自身に当てはまるものがないか探ってみましょう!

☑物事へのこだわりが強すぎる
☑部下への接し方が悪い
☑部下とコミュニケーションが取れていない

物事へのこだわりが強すぎる

物事へのこだわりが強すぎると、マネジメントがうまくいかない傾向にあります。たとえば、書籍や研修などで得たマネジメント理論をそのまま自身のチームに当てはめて考えていませんか?

確かに、そのマネジメント理論自体はとても良いものだといえますし、うまく活用できればより良いチーム作りに役立つことでしょう。

しかし、そのマネジメント理論がどのチームにも当てはまるとは限りません。なぜなら、チームメンバーである部下の個性や特性によって向き不向きというものが存在するからです。

たとえ良いマネジメント理論だとしても、チームメンバーに合っていなければ成果を出すどころか、やる気を消失させてしまいかねません。自分の考えを部下に無理やり押し付けるのはNGです。

また、マネジメント方法に対して「こうでなければならない」というこだわりが強いあまり、部下の意見を聞けなくなっているおそれもあります。

もちろんマネジメントに対しての考えをもつことは大切ですが、それがチームとかけ離れていないか、ひとりよがりになっていないか注意しましょう。

部下への接し方が悪い

部下への接し方が悪いのもマネジメントがうまくいかない原因のひとつです。

たとえば、部下の文句をいつもいっていたり、仕事の苛立ちを部下にぶつけたりしていませんか?また、部下のことを信用できないからと、部下の考えや意見を否定していないでしょうか。

そのような態度を常に取っていると部下からの信用が無くなってしまいます。つまり、部下を信用できないからとそのような態度を取ることで、自分の信用も失ってしまう結果になるのです。

お互いが信用できていない職場で仕事が円滑に進むとは思えないですよね。自身の部下に対する態度を振り返って考え直しましょう。

部下とコミュニケーションが取れていない

部下とコミュニケーションが取れていないのも問題です。指示を出すだけなどの必要最低限の会話しかしないのはチームにとって良くありません。

部下とのコミュニケーションが取れていないと、部下をきちんと知ることができません。そうなると、部下に合っていないマネジメント方法でチームを誤った方向に導いてしまう可能性もあります。

「部下の仕事ぶりを見ていればすべてわかるからコミュニケーションを取らなくても問題ないのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは問題です。

なぜなら部下について知る努力をし、それぞれに合ったマネジメントを行うことが最も大切だからです。

まずは部下とのコミュニケーションのあり方を見直してみましょう。

一方的に教えてばかりになっている

上司は立場上、部下に対して「教える」ことに注力しがちです。また、部下は上司に対して、自分の意見を伝えることにためらいを持つことが多くあります。

そのため、上司が献身的なアドバイスと感じていても、一方的な意見の押し付けになってしまう可能性があるのです。

業務の進め方や考え方などのすべてを指導してしまうと、部下が自主的に考えて課題を解決する能力が養われません。

また、「上司の一方的な意見、価値観の押し付け」は部下の価値観を否定することにもつながります。

例えば、部下が「前職ではこの場合、スピード感よりも正確さを重視していた」と話したときに「それは間違いだ」「うちではこうするものだ」と否定してしまっては、部下が委縮したり反感を持ってしまったりすることがあります。

部下が自分の意見や価値観を話してくれたときは、「そうだったんだね」「この会社とはこういうところが違ったんだね」と、部下の価値観を受け入れましょう。その上で、「お客様から〇〇の要望があるから、こちらを重視してほしい」と部下にしてほしいこと、その理由を伝えると良いでしょう。

部下の気持ちを汲み取ることは、マネジメントをする上で重要な要素です。一方的に教えてばかりでなく、部下の意見をしっかり受け止めることが大切です。

部下の能力や特徴を把握できていない

部下の能力や特徴を把握できていないと、適切な仕事の割り振りが難しくなります。

また、設定した目標が高すぎたり、その部下に合っていなかったりすると、部下にとって負担になってしまい仕事のパフォーマンスを下げる要因になってしまいます。

対して、部下の特徴を把握していれば、「この部下は期待の言葉をかければやる気を引き出してくれるな」「この部下は安心させてあげた方が落ち着いて仕事ができるんだな」と、部下のパフォーマンスを引き出す術を知ることができます。

また部下の能力を把握しておけば、割り振った仕事の進捗状況を見て、他の余裕のある部下にヘルプを向かわせるなど、助け舟を迅速に出すことも可能です。

部下の特徴や能力に応じて、適切な指導方法やフォローすべきポイントが違うことも意識するのが大切です。

部下をうまく育てるマネジメントのコツ

それでは次に、部下を育てるためのマネジメントのコツについて紹介していきます。どれも簡単にできるものばかりですので、実践していきましょう。

精神的に余裕をもつ

実は、上司自身の精神的余裕が無いことが、マネジメントが上手くいかない原因になりやすいのですが、自分自身のことを「精神的余裕が持てていない」と気がつけている人はとても少ないのも実情です。

いくつか、精神的余裕が無いことによる言動や発言を具体的に挙げてみますので、自分がそういった発言や振る舞いをしていないか振り返ってみましょう。

・部下の仕事が遅くてイライラしてしまい、きつい言葉を投げかけてしまう
・自分がその場にいるだけでその場がピリつく様子がある
・身だしなみや身の回りの整理がおろそかになっている

部下や自分のチームの仕事が遅いと感じても、そこで「なんでお前達は仕事ができないんだ、遅すぎる!」と感情的になってしまってはいけません。

部下の仕事が遅いことで、なぜイライラするのかを考えてみることが必要です。例えば、「本当は、自分自身が他チームのリーダーとの競争に負けてしまうように感じている」とか、または、「さらに上席にいる上司による自分自身への評価を気にしている」などです。

イライラの原因が自分自身の都合によるものだということに気が付くことが出来れば、自分のチームを冷静に見ることが出来ます。

もしかすると自身のチームは、スピードは遅いけれどほかのどのチームよりもミスが少なく、質の良い仕事をしているかもしれないですよね。

それぞれのチームに必ず個性というものは存在します。まずはその個性を受け入れ、見守る姿勢を見せましょう。それからチーム全体の得意分野を伸ばし、苦手を少しずつ無くしていけるように尽力しましょう。

マネジメントをする上で焦っても良い結果は出ません。おおらかな気持ちでチームを受け入れ、導いていきましょう。

リーダーが余裕を持って存在することで、チーム全体も落ち着いて仕事に取り組むことが出来、結果的に成果に結びつきます。
まずは、自分を鏡に映し、どのような身だしなみ、そしてどのような表情をしているか。チェックしてみましょう。

部下と信頼関係を築く

マネジメントを成功させるにあたって、部下と良好な関係を築くことは欠かせません。部下と信頼関係を築くために心がけたいことをふたつ紹介します。

部下とコミュニケーションをしっかり取る

部下と信頼関係を築くにはコミュニケーションが大事です。コミュニケーションといってもそんなに難しいことではありません。

たとえば部下に挨拶をしたり、仕事中に「なにか困っていることは無い?」と声かけをしたりするなどの小さなことで構いません。そうすることによって部下は「自分のことを気にかけてくれている」と感じ、心を開いてくれるはずです。

部下とコミュニケーションをしっかり取ることで、部下の得意なこと、苦手とすることだけでなく、どのようなことでモチベーションが上がるのかを知ることができます。

部下の個性や特性を知ることができれば、個人個人に合った動機づけや評価ができるはずです。

部下を受け入れる

次に、部下を受け入れる姿勢を見せましょう。部下が報告、相談してきたときに否定するばかりだと、部下が恐れてしまって問題を隠し続けるようになります。

たとえミスの報告だったとしても頭ごなしに怒鳴ったり、突き放したりするのではなく、最後まで部下の話を聞きましょう。

どう考えてその行動をしたのか、同じミスが起こらないためにはどうすれば良いと思うか、など、部下の考えを引き出し、それを受け入れることが大切です。

まずは部下を受け入れることで、部下も「自分のことを分かってもらえた」と感じるため、信頼関係を築きやすくなります。

部下を適切に評価する

部下を適切に評価することも、マネジメントで重要なポイントです。

大切なのは結果や数字だけではありません。取り組んだプロセスや内容も評価することが大切です。

ミスした部分を指摘するだけでは、部下のモチベーションを下げてしまいます。業務内容のフィードバックをするだけでなく、よりレベルアップするにはどうすれば良いかをアドバイスします。

ここで重要なのは、注力すべきポイントとレベルアップした先の未来を提示することです。

目指すべき理想像を示すことで、業務の改善だけでなく、部下のモチベーションも同時に高めることができます。

部下の価値観や意見を尊重する

一方的な意見の押し付けは避けましょう。

たとえ上司の意見が正しかったとしても、一方的に押し付けられると部下のモチベーションを損ねてしまいかねません。

大切なのは、部下の課題解決をサポートすることです。

ミスを指摘する際は、自分の意見や成功談だけを押し付けるのではなく、なぜミスに至ったのか、解決するにはどうすれば良いのか、ミスを減らすにはどうすれば良いのかを部下と一緒に考えましょう。

また、部下が取り組んでいる問題に対して、「どうすれば解決できると思う?」「どうなれば失敗を防げるだろう?」など、部下からの意見を積極的に引き出し、それを採用するのも有効です。

部下の意見を引き出すことによって、課題解決力を養うことができます」。

部下のモチベーションを引き出す

部下のモチベーション、やる気は上司の対応ひとつで変えることができます。

例えば、部下の取り組みがチームや部署、企業全体にどのように役立ったかを伝えることが効果的です。企業やチームに貢献できている実感が、さらなる貢献意欲につながります。

また、上司であるあなた自身が、部下である相手を信頼していることを積極的に伝えるのも効果的です。部下が自信をもてば、さらなる自信につなげようと意欲を出すでしょう。

部下に仕事の全体像を伝える

ひとつのプロジェクトに取り組む際に部下の関わる範囲が一部だとしても、プロジェクトの全体像を伝えましょう。大きいプロジェクトではチームごとや個々で業務を進める場合が多く、全体像を掴むことがなかなかできません。

そのため、プロジェクトの全体像を最初に共有することが大切です。共有することで、部下は単なる「作業」に思える業務も、自身が大切な「仕事」に携わっていると自覚がもてるようになります。自覚がもてれば責任感も生まれ、より意欲的に仕事に取り掛かれるようになるでしょう。

マネージャーに求められる能力

それでは最後に、マネージャーに求められる能力はどんなものかを見ていきましょう。

評価能力

マネージャーにはチーム全体を見極め、適切な評価を下す能力が欠かせません。評価をするためにはチームをきちんと見ていなければならないため、細かいところに気づけるかどうかというのも大切なポイントです。

そして、偏見や先入観で評価を下さないように、「本当にそれが正しいのか?」と一度立ち止まって考えることを忘れないようにしましょう。

適切な評価は部下の動機づけになるだけでなく、信頼関係を構築するためにも重要です。部下を評価する能力を磨きましょう。

分析力と判断力

ここでいう分析力と判断力とは、課題をいち早く見つけ出し、適切に対処する能力を指します。

適切な分析力を養うことで、部下の課題をいち早く発見できるようになります。そして、適切な判断力を養うことで、速やかに部下のフォローができるようになります。

これらの能力は、業務の優先順位を見極める上でも重要です。部下に必要な経験を見極め、現状に見合った業務を割り振ることができるようになります。

適切な指示やサポートをするために、部下との報連相(報告・連絡・相談)は欠かさず行いましょう。

「困っていることはない?」「行き詰まったらいつでも相談してほしい」と、自分から部下に話しかけることで、進捗状況が把握しやすくなります。

また、部下から話しかけやすい雰囲気をつくることも大切です。普段から部下と積極的なコミュニケーションを取り、疑問や不安があればすぐに投げかけられるようにしましょう。

部下から話しかけやすい雰囲気をつくり、迅速に情報が入ってくることで、チーム内の状況を詳しく分析し適切な判断を下すことができます。

リーダーシップ能力

部下のマネジメントには、リーダーシップ能力が求められます。リーダーシップとは、目標達成に向けてチーム全体を引っ張っていく能力です。

とはいえ、強引にチームをまとめようとしても部下はついてきません。部下の手本となるような行動を示し、結果でチームを引っ張れるリーダーとなる必要があります。

さらに、メンバーそれぞれの得意不得意を把握して強みを引き出せる力があれば、よりチームの力を引き出せるでしょう。

コミュニケーション能力

部下と信頼関係を築いていくにあたって、コミュニケーション能力は非常に大切です。

チームで連携して仕事をこなすのには意思の疎通が必要なので、きちんとコミュニケーションを取りましょう。

まずは部下ひとりひとりの性格や特徴を見極め、それぞれに合った対応をすることが大切です。そうすることによって部下のモチベーションを維持でき、適切なフォローやアドバイスが行いやすくなるためです。

部下との関係にお悩みの場合は、研修を受けてみるのもひとつの手です。東京ビジネスラボラトリーでは、心理学の観点からビジネスにおける人との関わり方を学ぶことができます。

13ものコースの中から最適なものを受講することができ、短いものだと1日15分、20日間で心理学を学べます。お忙しい方でも短期間で受講可能なため、試してみてはいかがでしょうか。

話を聞く力・相手を理解する力を養うことができるため、マネージャーとして部下と良い関係を築くことができるでしょう。

部下の育成に必要なマネジメント方法

評価能力やリーダーシップ能力など、マネージャーにはさまざまな能力が求められます。ただし、これらの能力は正しいマネジメント方法がベースとなって初めて発揮されるものです。必要なマネジメント方法として、次の3つが挙げられます。

・実際の業務を通して育成する「OJT」
・業務から離れて行われる「Off−JT」
・自ら学ぶ「自己啓発」

OJTとOff−JTでは、教育手順が真逆になります。そのため、それぞれの教育方法の特徴を捉え、自身の職場にあった方法で整備しましょう。

実際の業務を通して育成する「OJT」

OJT(On the Job Training)とは、現場での業務を通して知識やスキルを身に付けていくトレーニング方法です。研修や座学で学習を進めるのではなく、実際の業務に取り組みながら教育を進めていきます。

具体的には、新人社員などに必要な新しい知識やスキルを育成担当の先輩が指導し、その業務に必要な知識や経験を養っていく方法です。実際の業務に慣れていけば自ずと処理能力も上がり、即戦力となる人材を育てることができるでしょう。

ただし、新人教育に時間を費やせる人がいない場合は要注意です。新人は「仕事を教えてくれる人がいない」や「質問できる雰囲気じゃない」といったように不安を感じてしまうおそれがあります。OJTで教育を進める際は、新人社員や中途採用向けのカリキュラムを整備したうえで実施するようにしましょう。

業務から離れて行われる「Off-JT」

Off-JT(Off the Job Training)とは、業務に取りかかる前に座学やグループワークで基礎知識を伝達する方法です。社員研修や勉強会などがOff-JTに該当します。

また職場の外で行う「管理者研修」や「スキルアップ研修」など、キャリアごとに行われるものもOff-JTです。Off-JTで必要な基礎知識をインプットし、実際の現場へ移行できればよりスムーズに業務に取りかかれます。

一方で、Off-JTの内容を理解するだけでは業務を完璧に行えるわけではありません。インプットした知識を早めに実務に落とし込めるようなカリキュラムの整備が必要です。

さらに、人材育成における目標を達成するには、OJTとOff-JTの使い分けも重要となります。

自ら学ぶ「自己啓発」

自己啓発とは、知識やスキルを身に付けるために、社員自ら学習や行動をする姿勢を指します。

単に業務をこなすだけでなく、自己研鑽をすることでより価値提供できる人材となれるでしょう。

そのため、企業によっては社員の自己啓発の取り組みに対して金銭的な補助をしているケースもあります。自己啓発の例として、以下が挙げられます。

・社外での勉強会
・通信教育で資格取得
・書籍を読む

そのため、社員ごとに合った自己啓発の手段を見極め、スキルアップができるよう積極的に支援してみてください。

まとめ

部下へのマネジメントがうまくいかない原因とうまくいくためのコツ、マネージャーに求められる能力について見ていきました。

マネジメントを成功させるには、部下を見極め、受け入れ、良い関係を築いていくことが大事です。

そして、部下と信頼関係を築くにはコミュニケーションが欠かせません。日ごろの声かけや、受け入れる姿勢を見せる努力を怠らないことが大切です。

部下との関係に悩んだ際は心理学の観点から学びを深めるのも良いでしょう。