仕事を断る部下の本音とは?適切な対処法を解説

部下に仕事を振った際、断られる頻度が高くなると人材マネジメントに支障をきたすおそれがあります。上司からは「部下をまとめられない」と評価され、部下からは信頼されにくくなります。 この状態が続くと、職場全体の士気が低下する可能性があるため注意が必要です。今回は仕事を断る部下の心理状況や、円滑に業務を進めるための対処法を解説します。


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仕事を断る部下の本音とは?

部下が仕事を断る理由は仕事量が多い、興味がないなどさまざまです。モチベーションも大きく影響しているため、まずは仕事を断る部下の心理状態をみていきましょう。

仕事をやりきる自信がない

今まで経験したことのない仕事を振られると、自分にできるのか不安になるのはごく自然な心理です。今後の仕事に役立つとしても、失敗して周りに迷惑をかけたくないと思う気持ちが勝ってしまいます。

仕事を振るのは部下にやり切る能力があると認めているからにほかならないものの、本人に自覚はありません。仕事を断る理由が自分の力不足だと感じている場合、仕事を任せるのは期待の現れだと気づいてもらう必要があります。

やりたいことだけをしたい

仕事を断る部下は目の前の業務を優先せず、自分の気持ちに従って仕事を選別する傾向があります。成長志向が高い部下に多く、雑務や自分にメリットがない仕事はせずに、興味のある新規事業の進行や勉強会などには積極的に参加します。

しかし新規事業に関わる時間が増えると、担当業務がおろそかになりがちです。早く成果を出そうとしている部下には、基礎的な仕事の大切さを伝える必要があります。

楽な仕事しかしたくない

仕事を断る部下は、心身ともに負担が大きい仕事を避ける傾向があります。なるべく楽をしたいと考え、プロジェクトリーダーなど責任の重いポジションは敬遠しがちです。

このような方の多くは出世にあまり興味がありません。出世するには上司に認められる必要があり、きつい仕事をこなさなければならないと思っているからです。出世よりも現状の生活や将来困らない程度の収入があれば良いと考え、現状維持を望む傾向があります。

プライベートを大事にしたい

プライベート優先の部下の場合、仕事を振っても断られる確率が高いようです。プライベートの時間が削られてしまうため、残業になるような仕事や差し込みの仕事は断ってしまいます。

特に若い世代では仕事とプライベートのバランスを重視する傾向があり、仕事のためにプライベートを犠牲にしようと思う方は少ないのです。

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仕事を断る部下がいることによる悪影響

仕事を断る部下がいると円滑に業務を進めることが難しくなります。仕事の生産性が低下し、社員の士気も上がりません。ここではどのような悪影響があるのか紹介します。

業務効率が低下する

仕事を振っても断られる頻度が高くなると、その社員には仕事を頼みにくくなり、その分ほかのチームメンバーにしわ寄せが増えてしまいます。

チームメンバーは仕事量が増えるため長時間労働になりやすく、負担が大きくなり生産性が低下しがちです。優秀な人材ほど振られる仕事が多くなり、会社への不満が溜まりやすくなります。

また今の仕事に見切りをつけて新たな職場環境を求めるようになるかもしれません。早めに対処しないと優秀な人材の流出につながりかねないため、注意が必要です。

職場のモチベーションが下がる

仕事を断る部下がいると、周囲のモチベーションにも悪影響をおよぼします。仕事を断る同僚に対して苛立ちを覚える社員も出てくるかもしれません。

マネージャーは仕事の穴埋めをするために、安心して仕事を任せられる社員に依頼するようになるでしょう。しかし、仕事を振られた社員は忙しさから「自分ばかり苦労させられている」と思うようになり、不満が溜まりやすくなります。

多くの業務を抱える社員は、目の前の仕事に追われるようになり、業務を早く終わらせることに意識が向くようになりがちです。仕事が雑になりやすく、成果につながりにくくなり、チーム全体の評価も下がってしまいます。

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仕事を選り好みしていると部下自身の成長にも影響する?

「この仕事はやりたくない」など、部下が仕事を選り好みする状態が続くと、下記のデメリットが生じる可能性があります。

・業務の質にバラツキがある
・視野が狭くなる
・失敗をおそれて行動できない
・仕事の優先順位がつけられない
・他責思考になる

仕事は必ずしもつらいことばかりではなく、経験を積み重ねれば成長につながります。自分の好みで仕事を選んでいると、結果的に本人のためになりません。業務に必要なスキルが身につかず、後悔するケースもあります。

例えば仕事を選ぶようになると、仕事から得られる経験が少なくなり、業務の質にムラや偏りが出やすくなります。また自分ひとりで業務を進めていると、俯瞰して物事を捉える力が養えません。失敗をおそれるようになり、積極的に行動できなくなります。

さらに業務の全体像が把握できないと、適切な優先順位がつけられず効率良く業務を遂行できません。他責思考では一方的な考えになりやすく、自発的に代替案を考えて解決しようと思わなくなります。

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仕事を断る部下への適切な対処法

適切なサポートの実施で、仕事を断る部下に変化が見られることがあります。まずは、部下が仕事を断る理由を聞き、部下の悩みや考えを把握しましょう。理由により対処法は異なります。ここでは、仕事を断る部下への適切な対処法について解説します。

できる理由を引き出す

依頼した仕事に対して不安がある部下に対しては、できる理由を見つけてあげることが大切です。部下にヒアリングするときは、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの活用をおすすめします。

オープンクエスチョンは、答えがないため自由に回答できます。一方クローズドクエスチョンは「はい」「いいえ」で答えられるような限定的な質問です。この2つの手法を交互に繰り返すと、部下との共通認識が得られます。

部下と話すときは自身の持論を展開するのではなく、相手の考えを聞き出すよう心がけましょう。また部下の意識を不安から遠ざけ「できない理由」を「できる理由」へシフトさせると、次第に部下の視点が変わり仕事に対しての不安が消えるようになります。

その仕事を依頼する理由やメリットを伝える

部下のやる気を引き出すには、仕事を依頼する具体的な理由を伝えることが大切です。

ただし、伝え方によっては逆効果になってしまうため注意が必要です。例えば「会社の売上アップに貢献できるから」などと伝えても、その仕事をする必要性を感じなければ部下の心には響きません。

「営業の仕事に興味があるなら、学んでおいて損はないからやってみないか」など、将来に役立つかもしれないと思ってもらえる内容であれば、進んで仕事に向き合うようになります。

このように会社側の視点ではなく、その仕事で本人が得られるメリットを伝えることが大切です。部下のモチベーションアップにつなげられるため、仕事を振りやすくなります。

仕事の進め方を伝える

仕事の進め方を伝えていないと、部下自身もどう動けばいいのかわからず困ってしまいます。「言わなくてもわかるだろう」と思っていても、部下に伝わっていないケースは少なくありません。

例えば、初めてプロジェクトリーダーに任命したのなら、プロジェクトの立ち上げ方や進め方がわからないと、どう動いて良いのか、何から始めれば良いのか分かりません。

そのため、問題なく業務に取り組めるように、事前にお互いの認識をすり合わせておきましょう。業務マニュアルを用意しておくのもおすすめです。一度作成しておけば、都度部下に説明する必要がないため、業務効率アップにつながります。経験者にサポート役をお願いしても良いでしょう。

一緒に仕事を進める

仕事を断る部下のなかには、自分に自信がもてない方もいます。自信のない状態のままでは、いつまで経っても自ら進んで仕事をしようと思うようにはなりません。

まずは一緒に仕事を進めていき、安心して働ける環境を用意してあげましょう。仕事へのプレッシャーが軽減され、成功体験を積み重ねやすくなります。業務終了後に部下に対してフィードバックすると、改善点や反省点が明確になり、仕事へのモチベーションが高まるでしょう。

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まとめ

部下が仕事を断る原因はさまざまです。部下とのコミュニケーションを丁寧に行い、個々の状況にあった解決策を検討することが大切です。

部下の仕事に対する捉え方が変われば生産性が向上するなど、職場全体にも良い影響をおよぼします。部下の心理状況を把握し、それぞれに合った対処法で進めていきましょう。

部下の仕事ぶりについて悩んでいる方は、下記の記事も参考にしてください。

仕事ができない部下は見切りをつけるべき?メリット・デメリットや対応を解説