ウェルビーイング経営とは|メリットや事例、成功させる方法を解説

「離職率を減らしたい」「従業員にもっと楽しく仕事をしてほしい」などの悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。これらの課題を解決できるのがウェルビーイング経営です。日本ではまだ浸透していませんが、世界的には広まっている経営手法です。そこで今回は、ウェルビーイング経営について詳しく解説します。


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ウェルビーイング経営とは

ウェルビーイング(Well-being)とは、精神・肉体の健康と社会的な健康を意味する概念です。ウェルビーイングには「主観的ウェルビーイング」と「客観的ウェルビーイング」の2つの側面があります。

主観的ウェルビーイングは、自身の評価によって測定する主観的なものです。「人生の充実度」「個人の幸福度」などと言い換えるとわかりやすいでしょう。

客観的ウェルビーイングには数値基準が設けられているため、客観的に測定が可能です。例えば「GDP(国内総生産)」や「健康寿命」などは客観的ウェルビーイングに該当します。

ウェルビーイング経営とは、自社の利益を追求するだけでなく、経営に関わる関係者全員の幸せを追求する経営です。主観的ウェルビーイングを重視するウェルビーイング経営は、社員一人ひとりが目的意識を持って行動し、生き生きと働ける職場を作るための経営手法として注目されています。

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ウェルビーイング経営のメリット

ウェルビーイング経営を取り入れるメリットは数多くあります。ここでは、ウェルビーイング経営の具体的なメリットを紹介します。

離職率が低下する

ウェルビーイング経営によって、離職率の低下を目指せます。企業の退職理由として多いのが、「人間関係の悪さ」や「労働時間の長さ」です。そこで、ウェルビーイング経営を実施する過程で、これらを改善することで、自然と離職率を下げられます。

入社希望者が増える

入社希望者が増えやすいのもウェルビーイング経営のメリットです。

さまざまな企業についての情報が集まる口コミサイトをチェックして応募先を決めるのは、現在の就職・転職活動における一般的な手法です。口コミサイトにおける自社の評価は主観的ウェルビーイングによって大きく左右されます。そのため、ウェルビーイング経営に取り組めば口コミサイトでの評価が高くなり、自然と入社希望者も増加するでしょう。

求人を出しても応募者が集まらずに悩んでいる場合は、ウェルビーイング経営に取り組むことから始めてみるのもおすすめです。

生産性・企業価値が向上する

主観的ウェルビーイングは経営に与える影響が大きいといわれています。生き生きと働くことができる社員が増えれば、必然と企業の生産性は増加し、価値も向上するためです。

医療費の削減に繋がる

ウェルビーイング経営は、社員の健康も重視する経営手法です。残業を減らし、社員に過度な負担がかからないように配慮すれば、間接的に医療費の削減に繋がります。経営コストの削減にも寄与するのが、ウェルビーイング経営のメリットです。

従業員のモチベーションが向上する

ウェルビーイング経営により、職場での人間関係や労働環境が改善されると、仕事へのモチベーションにも良い影響を与えます。モチベーションが高い状態で仕事に取り組めるようになれば、生産性の向上にもつながります。

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ウェルビーイング経営の取り組み事例

日本ではあまり浸透していないウェルビーイング経営ですが、一部の企業ではすでに取り組みが進められています。ここでは、ウェルビーイング経営の取り組み事例を紹介します。

積水ハウスグループ|幸せ度調査の実施

住宅メーカーの積水ハウスグループでは、「積水ハウスを世界一幸せな会社にする」というビジョンを掲げ、従業員に対して「幸せ度調査」を実施しました。調査結果を測定し、相関を分析することで施策につなげる取り組みを行っています。

株式会社デンソー|健康リーダーの配置

自動車部品メーカーの株式会社デンソーでは、「一人ひとりに、ウェルビーイングな日常を」というビジョンを掲げ、ウェルビーイング経営に取り組んでいます。各部署に「健康リーダー」を配置し、従業員一人ひとりに合った施策を実施しています。

楽天株式会社|CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)の配置

楽天株式会社は、ウェルビーイング経営を統括する責任者として、「CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)」という役割を設けています。CWOは、創業者と同じ価値観を持って従業員全員が業務に取り組めるように活動しています。

また、多角的な視点からウェルビーイング経営に取り組むために、個人視点の「ウェルネス部」や組織視点の「エンプロイーエンゲージメント部」、社会視点の「サステナビリティ部」と3つの部署を設立しているのも特徴です。

味の素株式会社|セルフケアの徹底

味の素株式会社では、従業員自らが「セルフケア」を実施するように徹底しています。ポータルサイトを活用した従業員の健康データの収集、スマホアプリを使った健康管理、年に1回の面談などの取り組みにより、社員の健康を会社全体でサポートしています。

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ウェルビーイング経営を成功させるには

ウェルビーイング経営を成功させるためのポイントは下記の4つです。どのように取り組めば良いかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。

外部研修を活用する

外部研修を活用すれば、ウェルビーイング経営を成功させるためのポイントを学べます。ゼロからウェルビーイング経営を始める場合は、何から手をつければ良いかわからないでしょう。そういった企業にこそ外部研修がおすすめです。

東京ビジネスラボラトリー(TBL)では、ウェルビーイング経営について学べる企業研修を行っています。管理職として必要な知識やスキルを学び、社員のパフォーマンス向上を図れます。気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

メンタルヘルス・労働環境を改善する

ウェルビーイング経営に取り組む上で、最優先するべきは従業員のメンタルヘルス・労働環境の改善です。具体的には残業を減らしたり、有給申請を行いやすい職場風土を作ったりすることが大切です。

しかし、部下のメンタルヘルスが把握できない場合もあるでしょう。下記の記事では、部下のメンタルヘルスケアについて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

部下のメンタルヘルスケアは大丈夫?カウンセリングの研修を受けて問題を解決しよう

従業員サーベイを実施する

従業員満足度調査(ES調査)を導入して従業員サーベイを実施するのもおすすめです。従業員が会社に対して何を求めているかを知るきっかけになり、ウェルビーイング経営における具体的な施策を考えやすくなります。

何から始めれば良いかわからない場合は、まず従業員サーベイを実施して、自社の課題を明らかにしましょう。

コミュニケーションを活性化させる

職場内の悪い人間関係、雰囲気は仕事の生産性の低下、ストレス増加につながります。主体的ウェルビーイングを向上させるためには、コミュニケーションを活性化させて、職場の風通しを良くすることが大切です。

コミュニケーションを活性化させるためにはツールの導入もおすすめです。従業員同士で気軽に感謝を伝えられるSNSツールや、その日の気分や状態を気軽に入力することのできるチャットツールなどを導入すれば、気軽にコミュニケーションを取りやすくなります。

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ウェルビーイング経営の注意点

ウェルビーイング経営は、利益を追求するのが難しくなりやすいのがデメリットです。残業時間や業務量を減らすことで、短期的には利益が少なくなるかもしれません。また、企業の経営状況次第では赤字になるおそれもあります。

しかし、ウェルビーイング経営は従業員の生産性向上によって、長期的に見れば利益が増加する可能性を秘めています。そのため、ウェルビーイング経営を行う際は、短期的な視点ではなく、中長期的な視点を持って取り組むことが大切です。

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まとめ

ウェルビーイング経営には、採用率の向上や生産性・企業価値の向上などの多くのメリットがあります。企業が経営を続ける上で、ウェルビーイング経営は欠かせない取り組みといえるでしょう。ウェルビーイング経営を始めるきっかけとして、ぜひ東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)の企業研修を活用してみてください。