目次
ウェルビーイングとは?
ウェルビーイングとは、社員の心身の健康を保つだけでなく、社会的にも満たされた状態を指します。健全な経営を続けるために非常に重要な考え方です。詳しい内容を確認していきましょう。
ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイング経営とは、社員がやりがいをもちながら、安心して働ける環境を整えるための経営方法のことをいいます。ウェルビーイングの考えを経営に取り入れ、心身の健康と社会的な安定を社員にもたらすことが狙いです。
生活習慣病やメンタルの不調を予防することで、仕事へのモチベーションアップが期待できます。社員に寄り添う継続可能な経営方法のため、社員の満足度向上や企業のイメージアップに効果的といえるでしょう。
ウェルビーイングの指標となる5つの構成要素
ウェルビーイングの指標となる構成要素は、以下の5つが挙げられます。
・Career Well-being(仕事とプライベートのバランスが取れた状態)
・Social Well-being(社会的に良好な状態)
・Financial Well-being(経済的に安定している状態)
・Physical Well-being(心身が健康な状態)
・Community Well-being(所属する組織に満足している状態)
それぞれどのような状態なのか、確認していきましょう。
1.Career Well-being(仕事とプライベートのバランスが取れた状態)
キャリアとは、人生に関わるすべての要素を指します。仕事だけでなく、家庭や趣味、自己研鑽などに費やす時間のバランスがうまく取れた状態が理想的です。
2.Social Well-being(社会的に良好な状態)
ソーシャルとは、主に人間関係を指します。上司や部下と良好な関係が築けているか、家族関係にトラブルはないかなどさまざまです。ストレスが少ない関係性を築けていれば、仕事にも良い影響が期待できるでしょう。
3.Financial Well-being(経済的に安定している状態)
ファイナンシャルとは、経済状況を指しています。生活費が確保できており、さらに自身で利益を立てられる状態が理想的です。
4.Physical Well-being(心身が健康な状態)
フィジカルとは、体だけでなく心も健康な状態を指します。過重労働や過度のストレスがかかる環境を見直し、心身ともに社員の健康を保つことが重要です。その結果、健全な状態で業務に当たれるようになります。
5.Community Well-being(所属する組織に満足している状態)
コミュニティとは、所属する組織を指します。組織とは、所属している部署や企業、家族、生活している地域です。自身と組織の関係性が良好であれば、円滑に物事が進みモチベーションも上がるでしょう。
ウェルビーイングを企業が重視すべき4つの理由
ウェルビーイングを企業が重視すべき理由として、4つ挙げられます。
どの考え方も、ウェルビーイングとの親和性が非常に高いです。多様性を認め、社員の健康を保つように経営をしていけば、自ずとウェルビーイングの状態に至ります。それぞれの内容について確認しましょう。
1.ダイバーシティの促進
ダイバーシティとは、多様性を示す言葉です。主に、性別や国籍、人種、障害の有無などを取り上げることがあります。
心身や社会的に満たされた状態を目指す「ウェルビーイング」と、差別のない平等な環境を目指す「ダイバーシティ」は親和性が非常に高いです。そのため、近年はダイバーシティに注目が集まり、促進する動きが盛んになっています。
異なる価値観や経歴をもつ人材が集まれば、企業としての組織力や競争力が高まるでしょう。そのため、従来の働き方や仕事観にとらわれず、多種多様な人材を受け入れる体制が必要です。
2.健康経営の促進
健康経営とは、社員の健康を保つために、経営の施策として計画的に実施していくものです。ウェルビーイングを突き詰めると結果として健康経営を促進することにつながり、健全な経営を実現できるでしょう。
例としては、定期的な健康診断の実施や病気を未然に防ぐためのセミナーやイベントの開催が当てはまります。社員の満足度や企業イメージの向上につながるため、健康経営はウェルビーイングを進める上で欠かせない考え方のひとつです。
3.労働力減少による人材不足への対応
昨今、労働人口の減少にともない人材不足が深刻化しています。そのため、企業は新規採用だけでなく、すでに働いてくれている社員にいかに長く勤めてもらうか、施策を打つことが重要です。
そのため、企業の中でも健康経営を重視する考え方が広まっており、「労働者を守り、投資するものである」という意識の変化が生じています。社員がより長く働きたいと思う環境を作り、安心して業務に当たれるようになれば、人材不足への対応も可能となるでしょう。
4.SDGsの推進
SDGsとは、2030年までの持続的な開発目標として掲げられたものです。事業目標としてSDGsを取り入れる企業も増えており、求職者にとっては企業を選ぶ指標のひとつとなっています。
求められる要因として、SDGsにはウェルビーイングの考え方が含まれており、健全な職場で働きたいと思っている求職者が多いからです。SDGsの3項目には、「すべての人に健康と福祉を」と記載されており、まさにウェルビーイングの考え方と合致します。
そのため、SDGsの目標としてウェルビーイングに取り組むことは、今後も求められるでしょう。
企業ができるウェルビーイング実現のための4つの方法
企業ができるウェルビーイングの実現方法として、4つが挙げられます。
社員の心身の健康を保ちつつ、社会的な満足度を上げるためには、さまざまな施策を打つことが効果的です。ウェルビーイングを実現させるための具体的な方法を解説していきます。
1.福利厚生の充実を図る
福利厚生とは給与やボーナスのような労働に対して支払われる報酬に加え、社員とその家族に提供されるサービスを指します。サービスの内容は多岐にわたり、社員が自由に選べる点が福利厚生のメリットです。
例として、ホテルやイベントの優待券、フィットネスクラブの割引券などがあります。福利厚生を充実させることで、社員のライフスタイルが豊かになるサポートができるでしょう。
2.コミュニケーションしやすい職場環境を作る
心身が安定して社員が結果を出せる職場にするには、コミュニケーションが取りやすい職場環境を作る必要があります。コミュニケーションが円滑な職場では、円滑でない職場と比べて生産性が高いことが立証されているからです。
そのため、リフレッシュコーナーやオープンスペースの設置を進める企業も増えており、コミュニケーションを重視する姿勢がうかがえます。まずは、小さなスペースからでも社員が業務以外の交流をもてるような環境づくりをしてみてはいかがでしょうか。
3.労働環境を見直して是正する
社員の心の健康を保つ施策として、長時間労働の抜本的解決や柔軟な働き方の促進に取り組んでみましょう。労働環境の見直しは、社員の仕事に対する満足度向上にもつながり、モチベーションアップにも効果的です。
具体的な施策として、残業時間の把握や社内アンケートの実施、テレワーク環境の整備などが挙げられます。現状を把握してニーズに合った施策を打つことで、より良い労働環境の構築を目指せるでしょう。
4.心身の健康状態を把握して改善する
心と体の不調は、社員自身が一番把握しています。心身を病んでいるとプライベートだけでなく、仕事にも多大な影響を及ぼしかねません。他者から見たときにはわかりづらい場合もあるため、客観的に健康状態を把握できる体制を整えておきましょう。
具体的には、産業医や保健師への相談窓口の設置、外部検診の費用補助などのサポートをすることが重要です。その上で、社員自身が心身の状態と向き合い、自身にあった働き方を選べるように体制を整えておきましょう。
まとめ
ウェルビーイングを経営に取り入れることで、社員の心身の健康を保ちつつ、社会的にも満足した状態を目指せます。目指した結果、人材不足への対応が可能となり、職場の生産性向上も期待できるでしょう。
特に、心身のサポートには専門的な知識と経験が必要です。サポートの一環として、「東京・ビジネス・ラボラトリー」が提供するカウンセリングを、メンタルヘルス対策として導入してみませんか。社員の心身の健康を保つために、ぜひご検討ください。