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今すぐ使える!部下の成長につながる言葉3選
部下を指導するにあたり、重要な要素となるのが上司との信頼関係です。部下へ指導を行う際も、合理的な指導方法であっても、信頼関係が築けていなければ、部下にとってストレスとなるおそれもあります。
ここからは、部下と良い信頼関係を築くために、日常的に使いたい言葉を3つ紹介します。
ありがとう
頼んだ仕事を部下がやり遂げた際、それがどんなに簡単な仕事内容であっても感謝の言葉を忘れてはいけません。上司からの「ありがとう」の一言で、部下は自分に関心が向けられていると認識し、「また次も頑張ろう」「もっといい仕事をしよう」と前向きになります。
信頼関係を良好に保つためには、出勤や退勤時に積極的に上司から挨拶をしたり、日頃から感謝の気持ちを、部下に向けて言葉に表したりすることが大切です。挨拶や感謝の言葉が飛び交う職場は、雰囲気が良、円滑なコミュニケーションにもつながります。
助かったよ!
部下が行動してくれたことに感謝し、まずは「助かったよ!」と声をかけることも、部下との信頼関係を構築するうえで大切です。これは、頼んだ仕事を部下が失敗してしまった時も同様です。どのような結果に対しても、まずは感謝の気持ちを伝えましょう。
反対に、部下に対して「これくらいしてもらって当たり前」という考えをもつのは禁物です。上司の考えていることが部下に伝わると、意欲やモチベーションの低下につながります。仕事をやらされている感覚になってしまう部下がでてくる可能性も考えられます。
任せるよ!
部下の成長を促すためには、早い段階で自信を持たせることが重要です。そのため、業務工程の一部を任せるなど、自分の裁量でこなせる仕事があると気づかせる必要があります。上司から任せられる仕事が増えていくと、部下のモチベーションの向上につながります。
とはいえ、部下に仕事を任せたままにすることは避けるべきです。上司から「放置されている」と感じてしまうと、モチベーションが低下するおそれがあります。部下には「任せるよ!」と伝えつつ、上司はいつでもフォローに回れるように見守ることが大切です。
任せた仕事の進捗状況を把握して、適切なタイミングでアドバイスを与えられる準備をしておきましょう。
部下を育てる際に意識すべき3つのポイント
部下の指導には時間を要しますが、組織にとって、部下の成長は欠かせません。部下が主体的に動けるようになるには、以下の3つを意識することが必要です。
・具体的な指示を出す
・理由を明確にする
・言葉で確認する
それぞれについて、下記で詳しく紹介します。
具体的な言葉で内容を伝える
部下に求めていることを伝えるときは、具体的な言葉を使用します。部下に対してゴールを明確に伝えることで、本人が何をすれば良いのか理解でき、主体的に判断できる機会が増えます。自分の判断によって業務がうまくいくと、達成感が得られて自信にもつながります。
対して、部下への指示が抽象的になると、解釈の相違が原因でミスにつながることも少なくありません。また、業務を行う基準が分からないと、部下は自己判断が難しくなり、パフォーマンスが低下するおそれもあります。
部解体して曖昧な指導を続けてしまうと、部下は萎縮してしまい、わからないことがあっても上司に質問ができなくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
業務の都合上、部下に具体的な指示が出せない場合は、フォローアップする時間を設けることをおすすめします。
指導の理由を明確にする
部下に指導を行う際は、部下が自分で考えながら問題解決につなげる能力を伸ばすために、指導の理由を明確にし、伝えることが大切です。
部下は、指導の理由を理解することで、新しい方法を考えたり、「会社に貢献している」と自分の仕事に誇りを持てたり、自発的に行動できる人材へと成長します。
理解度を言葉で確認する
部下に具体的な指示を出した後に、どこまで理解ができているのかを言葉で明確化することが大切です。
指示の内容を言葉で確認しているとき、上司は、途中で話を止めないように気を付けなければなりません。理解できていない場所を、部下自らが気づく必要があるからです。そして、理解が足りていない部分は質問を投げかけたり、補足したり、正しい答えを導き出す手伝いをします。
傾聴力、承認力、質問力はコーチングにおいて基礎となる部分です。コーチングに関する説明は以下の記事で詳しく紹介しています。
部下を育成するためのコーチングとは?ティーチングとの違いも解説
部下を育てられない上司の特徴
短期的な業務効率を追うあまり、部下の経験を奪ってしまう上司もいます。部下を育てられず、上司としての評価が下がってしまう前に注意すべきポイントを下記で紹介します。
失敗や結果を恐れて経験値を下げる
上司自らが作業した方が確実かつ素早く仕事を済ませられる、余計な仕事が増えるのは面倒だと考えている上司の方は要注意です。
部下の成長には経験が必要不可欠であり、あえて難しいことに挑戦させて、しっかり結果を出せるようにフォローするのが上司の務めです。
部下は成功体験を積み重ねていくことで、自信がつき成長につながります。ときには失敗をして、上司の負担が増えるケースもありますが、中長期的にみれば、会社全体の利益向上に結びつきます。
部下をさげすむような行動を取る
部下を見下したり、さげすんだりするような発言は厳禁です。部下との間の信頼関係を壊し、部下のモチベーションを下げてしまいます。組織全体の生産性低下につながるおそれもあります。
部下の目の前で、他人の陰口をいうことも同様です。陰口を利く部下は、「私のいないところでは、自分も悪口を言われているのかも」と考えてしまいます。
主体的に働く人材へ成長してほしい場合は、自らが手本となれるよう、部下と深いコミュニケーションを取ることが大切です。
部下との関係を築くにはコミュニケーションが大事
部下と良好な信頼関係を築くために、コミュニケーションが欠かせない要素です。信頼関係をつくることで、社員満足度だけでなく、組織全体の生産性の向上にもつながります。
部下の話を聞くことがコミュニケーションの第一歩
コミュニケーションを良好に保つためには、話すことよりも聞くことの方が大切です。相手が気持ちよく話せるように「傾聴力」や「質問力」を身に付ける必要があります。
たとえば、部下がミスをしてしまったときは、ミスを責めるような質問よりも、「なにを考えてそのような行動・判断をしたのか」、「同じミスを繰り返さないためには何をするべきか」など、対応策を引き出せるような質問が好まれます。
いきなり指導から入るのではなく、仕事に取り組んだことに対し敬意をはらうことも部下と信頼関係を築くうえで重要です。
また、話を聞くときは、相手の話を遮ってはいけません。話の途中で気になる点があっても、最後まで話を聞いて、部下が自ら誤りに気付けるように促しましょう。
普段から挨拶や感謝の言葉を大切にし、部下の話に耳を傾け、相談しやすい環境をつくり上げることも上司の役目です。
「傾聴力」や「質問力」はコーチングを行ううえで大切なスキルです。コーチングに関してはこちらの記事で解説しています。
思い切って部下に任せてみることも必要
人材教育は、OJT(On the Job Training)で指導を行うのが一般的です。OJTとは、職場での実践的なトレーニングを指します。
OJTは、上司や先輩の指導のもと、実際に仕事をしながら業務や技術などを学べるため、効果的な学習手段として広く用いられています。
部下に知識や技術が身に付いてきたと判断したら、思いきって仕事を任せてみましょう。
具体的なゴールを決めて、進捗状況が確認できるように報告日を設けるなどルールを決めておくと、部下は安心して行動できるようになります。
たとえ部下が失敗を起こしたとしても、フォローができるようにあらかじめ体制を整えておくと、部下も安心して挑戦できます。上司が部下のピンチに応えることで信頼も厚くなるうえに、実例をもとに学べるため、互いの成長の糧になります。
まとめ
部下を育てる上で、上司が使う言葉や指導方法には大きな影響があります。部下と正しくコミュニケーションをとり信頼関係を築くために、普段から挨拶や感謝の言葉を大切にし、相談しやすい雰囲気を作ることが大切です。
部下の挑戦を後押ししたり、失敗に備えてフォローアップ体制を整えたりするのも、部下の成長を見守る上司の役目です。
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