目次
職場の人間関係を改善する3つのメリット
職場の人間関係を改善すると得られる主なメリットは次の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
1.仕事上のミスやトラブルの防止
人間関係を良くすることで、仕事上のミスやトラブルを防止できるメリットがあります。
従業員同士が声をかけ合い、フォローし合える良好な関係性ができていれば、仕事上のミスやトラブルを最小限に抑えられるでしょう。
一方で、人間関係が悪化すると従業員同士のコミュニケーションが不足しがちになります。
コミュニケーションが不足すると職場の雰囲気は悪くなり、余計なストレスを感じる従業員も増えます。
ストレスは注意力や集中力、決断力などを低下させ、結果的に仕事のミスやトラブルが増える原因になりかねません。このような問題の改善を求められるのが、部下の業務管理を任されている管理職です。従業員同士の連携を高める橋渡しとなる必要があります。
2.休職や離職の回避
職場の人間関係が良好な状態であれば、休職や離職を回避できるメリットがあります。
職場の人間関係が悪化すると、従業員同士のトラブルが増えるおそれがあります。トラブルが多く、悪い雰囲気が慢性化していると従業員が心を病んでしまい、うつ病などに発展するケースもあるでしょう。
心の病は休職や離職の原因となり、従業員と会社の両方に悪影響を及ぼしかねません。そのため、管理職はいち早く従業員の状況を把握し、サポートすることでトラブルを最小限に減らせます。
その結果、従業員は安心して仕事に取り組むことができ、人間関係も良好になるため、休職や離職を回避できるでしょう。
3.企業の生産性の向上
人間関係の改善により、企業の生産性向上が期待できるメリットがあります。
製品やサービスの品質を向上させるためには、従業員同士の活発なコミュニケーションが必要です。職場の雰囲気が改善されれば自然とコミュニケーションも増え、良いアイデアや改善策が生まれます。
その結果、仕事の生産性が向上し、顧客満足度を高める対応ができるようになるでしょう。また、コミュニケーションが円滑になれば、雰囲気の良さで長年在籍する従業員が増えます。
成熟した部下が増えれば、管理職や管理職に次ぐ従業員の生産性も高まり、職場としてより成長を見込めます。
職場における人間関係の悪化を引き起こす3つの原因
人間関係の悪化を引き起こす原因は、主に3つ挙げられます。
部下の不安を取り除くためにも、人間関係に悪影響を及ぼす原因を把握していきましょう。
1.日頃のコミュニケーションが不足している
日頃のコミュニケーションとは、業務の話だけでなく何気ない雑談も含まれます。雑談などがしづらい環境では、常に緊張感があり、雰囲気が硬くなりがちです。
また、上司や同僚の間で派閥がある場合は話す相手が限られることもあるでしょう。そのため、派閥に属していない従業員の感情や事情、発言の背景などをくみ取れず、悪気なく相手を傷つけてしまうかもしれません。
日頃からコミュニケーションが取れていれば、報告、連絡、相談のような業務の情報共有も滞りなくできます。活発なコミュニケーションは、人間関係にも大きく影響してくると認識しておきましょう。
2.上司と部下の間で業務のすり合わせができていない
業務に対する認識がずれている場合、業務が滞ったりトラブルになったりするおそれがあります。例えば、上司が「この人に任せておけば大丈夫」と思った業務で、部下は「自分一人ではできない」と難しく捉えていたとしましょう。
上司からすれば遂行できる難易度であると考えているため、必要最低限のアドバイスしかしないかもしれません。そうすると、部下は「上司が仕事を教えてくれない」と不満に思うでしょう。
このように、上司と部下の間で業務の難易度に認識の差がある場合、人間関係にも悪影響を及ぼしかねません。
3.社内の教育体制が整っていない
教育体制の不整備は、人間関係を悪化させる要因になりかねません。教育体制が整っていない状況が当たり前になっていると、新人は能力以上の業務を担うことになります。
この場合、新人を教育する社員も不足していることが多く、不安な気持ちを抱えて仕事をしなければなりません。結果として、業務が覚えられるまでに時間がかかってしまい、仕事が回らない悪循環に陥ってしまうでしょう。
仕事が回らなければ現場の余裕もなくなり、雰囲気も悪くしてしまいます。
教え方が雑になってしまったり、新人が質問しづらい環境となったりしないためにも、社内の教育体制を整えることは管理職に求められる大切な業務といえます。
【管理職向け】職場の人間関係を改善する4つの方法
人間関係を悪化させる原因が理解できたところで、悪化した関係を改善する方法を紹介します。
今日からはじめられる工夫や心構えから根本的なシステムの再編まで、いずれも管理職として取り組むべき内容です。すでに人間関係が悪化していても、まずは自身から変えられる内容から取り組んでみてください。
1.上司から部下に話しかける機会を設ける
まずは、上司から部下へ積極的に話しかけるよう心がけましょう。部下から上司に雑談をするのは心理的ハードルが高く、物怖じしてしまう人も多いです。
そのため、上司が部下に雑談を振るなど気軽に話しかけることで、職場全体でコミュニケーションを取りやすい雰囲気になります。良い雰囲気になれば業務に対する質問もしやすくなり、納得して業務に取り組める部下が増えるでしょう。
ミスやトラブルを未然に防ぐことができ、職場の生産性も上がります。仕事の合間や休憩時間を活用して、部下に話しかけてみてください。
2.働き方を見直す
職場の働き方を見直すことも大切です。部下は、任された仕事をいかにこなすかで頭がいっぱいになりがちです。
そのため、部下の仕事量や残業時間が多くなっているのであれば、管理職として業務の問題点と向き合い、見直す必要があります。仕事量を減らせば業務に余裕が生まれ、社員同士でコミュニケーションを取る機会が増えます。
仕事量を見直す際は「仕事のどの部分で時間がかかっているのか」や「仕事量に対しての人数は適切か」などの観点に注目して、確認していきましょう。フレックスタイム制や時短勤務、リモートワークなどを導入し、働き方自体を見直すのもひとつの方法です。
3.ポジティブな言動や表情の意識
上司側のポジティブな言動や表情も職場に大きく影響を与えます。仕事が忙しい状況や人間関係でトラブルがある場合は、ストレスがかかりやすいでしょう。しかし、管理職が自ら高圧的な態度を取っていると部下は萎縮してしまいます。
良い雰囲気を作るため、管理職や上司にあたる立場の人がポジティブな言動を心がけるようにしましょう。感謝の気持ちを伝えたり元気よくあいさつしたりすることで、ポジティブな印象を与えることができます。
部下の仕事をねぎらう意味でも、ポジティブな声かけを意識してみてください。
4. 教育体制の整備
管理職だけでは教育体制の整備に手が回らない場合、教育担当者を育成する体制を構築しましょう。
管理職以外に教育担当者を育成すれば管理職の負担を軽減できるだけでなく、職場の生産性を向上させられます。そのため、教育担当者になる人材には担うべき役割の理解や実行、実現の方法を理解してもらうための教育が必要です。
しかし、自社だけで教育担当者を育成するシステムを作るのは簡単ではありません。指導するための時間やノウハウが社内に不足しているケースも考えられます。
そのような場合には、「東京・ビジネス・ラボラトリー」の企業研修をご検討ください。心理学を活用した研修によって、世代や立場ごとの課題にあわせたコンテンツを提供しています。
職場の教育担当者育成に活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、職場の人間関係を悪化させる原因に加え、悪化してしまった人間関係を改善する方法を解説しました。管理職が積極的にコミュニケーションを取っていくだけでなく、管理職に次ぐ教育担当者を育成することが重要です。
職場で教育担当者を育成する労力を割けない場合は、必要なスキルを身に付けられる「東京・ビジネス・ラボラトリー」の企業研修を活用してください。研修を受講することで、人間関係の悪化防止や改善に必要なスキルを学ぶことができ、それにより生産性の向上も期待できるでしょう。