思い込みに気づき手放すことで、ビジネスの可能性が広がる

東京・ビジネス・ラボラトリーでは、マインドフルネスについてベーシックとアドバンスの2段階で学び、本場アメリカの資格を取得できる「マインドフルネスコーチ資格取得コース」を開講しています。マインドフルネスとは、「心からの安心感があり、本当にリラックスしている瞬間」のことを指し、その状態をつくるプロセス自体もマインドフルネスとされます。今回は、コースを受講し、マインドフルネスコーチの資格も取得した経営コンサルタントの畑中修司さん(ハタナカマネジメントオフィス)に、その経験と学びについて伺いました。
マインドフルネスを実践的に学べることが受講の決め手
――受講のきっかけを教えてください。
マインドフルネスは、禅の思想などを基盤にアメリカで体系化された実践法です。私は昔から禅の「悟りとは何か」に関心があり、禅寺で座禅を組んだり、アメリカに禅を広めた鈴木大拙(タイセイ)さんの本を読んだりしていました。マインドフルネスについても、ジョン・カバット・ジンのベストセラー『マインドフルネスストレス低減法』を読み、興味を持っていました。しかし実践するのは難しいと感じていたとき、知人を通じて東京・ビジネス・ラボラトリーが日本で初めてマインドフルネスコーチの資格が取得できるコースを開講することを知ったのです。
――具体的にどのような点が受講の決め手となりましたか?
アメリカのプログラムを直接学んだ朝妻先生から、直接実践的な指導を受けられる点です。先生の柔らかく、何でも受け入れてくれる人柄にも信頼感がありました。また、社名に「ビジネス」という言葉が入っており、単純な資格取得だけでなく実際にビジネスに活かすことを目的にしていたことも決め手になりました。私は経営コンサルタントとして中小企業診断士の資格も取得しており、個人の悩みを解決したいというより、ビジネスを通じて誰かの役に立ちたいという思いがあったからです。
受講者同士のシェアから新たな気づきが生まれる
――ベーシックコースで学んだ内容を教えてください。
全12回のうち10回目くらいまでは、すぐにマインドフルな状態になる(気持ちを落ち着かせる)ための実践的なテクニックを学びました。なかでも手軽に実践できて気に入っているのが、4つ数えながら息を吸い、4つ数えて止め、4つ数えながら吐く、「4カウント・ブリージング」という呼吸法です。ほかにも視覚、聴覚、触覚といった五感に意識を向け、自分自身が本来何を感じているかを研ぎ澄ましていく訓練をしました。
その後、最後の2〜3回で理論を学び、より理解を深めました。特に印象的だったのは、「マインドフルネスアイデンティティ」と「一般的なアイデンティティ」の違いです。一般的なアイデンティティとは、「自分は中小企業診断士である」といった社会的な役割に基づくものですが、マインドフルネスアイデンティティは、五感を通じて「今、この瞬間を生きている自分」に意識を向けることを意味します。社会的な役割も大切ですが、それだけにとらわれるのではなく、「本当に大事なのは何か?」を見つめ直すことで、自分自身をより深く理解できることがわかりました。
――その後、アドバンスコースではどのようなことを学びましたか?
ベーシックで学んだテクニックを発展させ、より深くマインドフルネスを実践し、他者をサポートする方法を学びました。印象的だったのは、「不幸のプログラム」という考え方です。例えば、幼稚園に通う子どものお母さんが事故死してしまい、お迎えに来られなかったとします。すると、その子は「待たされること」と「不幸な出来事」を無意識に結びつけてしまい、大人になっても「待つこと」に過剰な不安やストレスを感じるようになるかもしれません。
こういった「不幸のプログラム」は、 大なり小なり誰にでもあり、それは自分自身で探るしかありません。「なぜ今イライラしているのか?」「心がざわつくのはなぜか?」といった感情に目を向け、客観的に見つめ直すトレーニングを行うことで、思い込みにとらわれずに行動できるようになります。多くは幼少期の原体験が関係しており、私自身も母親の影響を受けていたことに気づくことができました。
――受講中、特に魅力に感じたことを教えてください。
他の受講生と実践体験をシェアできることです。レッスンでは、前回のレッスンから2週間の間に、自分の気づきを深め、その体験を各々が発表します。
私たちの脳には、過去や未来に思いを巡らせ、無意識に思考や感情を生み出す「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という神経回路があります。DMNが過剰に活性化すると、ネガティブな思い込みにとらわれてしまうのですが、その心の声に気付くことは簡単ではありません。そんなときに、他の受講生の体験を聞くことで、「自分もそれに近いかもしれない」「そういう考え方もあるのか」と新たな気づきを得ることができました。受講生はオンライン参加を含め8〜10名ほどで、ビジネスの現場で活躍している方々とマインドフルネスの実践に関する気づきを共有できたことは、とても貴重な経験になりました。
また、レッスンの最後には、朝妻先生がアドバイスをくださり、自分の気づきをより明確にできます。知識を得るだけでなく、実践し、それをシェアし、さらにはフィードバックを受ける。こうして自分の内面と深く向き合える点が、このコースの大きな魅力だと思います。私は2020年に最初に受講して以来、毎年ベーシックとアドバンスコースを受け続けています。テキストは同じでも、毎回新たな気づきと学びが得られます。
経営者がマインドフルネスを学べば、企業の成長を加速させられる
――受講後、仕事において変化はありましたか?
「一生懸命やらないと仕事が来ない」という思い込みにとらわれていたことに気づき、根を詰め過ぎず最適な状態で働けるようになりました。一生懸命は良いことですし、成果も出ていたので受講前は問題視していませんでした。ところが、実際は過剰に働くことで体に負担がかかり、プライベートの時間も取れず、家族との関係も疎遠になってしまっていたのです。
マインドフルネスを学んでからは、精神的な余裕が生まれ、焦りやオーバーワークがなくなり、プライベートや新しい仕事に時間を割けるようになりました。以前から「プライベートが充実してこそ、仕事もうまくいくのでは」と思っていましたが、実際にそのバランスを取れるようになり、成果を落とすことなく、より良い働き方ができています。
――顧客に対するコンサルティングには、どのように活かせていますか?
クライアントがどのような思考にとらわれているのかを予測し、マインドフルネスの視点を交えたアドバイスができるようになりました。人は無意識のうちに自分の固定概念にとらわれ、その枠の中でしか物事を見られなくなることがあります。その状態では新しい視点を持ちにくく、そのことに気づきかけている経営者には「こういう見方もあるかもしれませんよ」と伝えることで、とても響くようです。実際、「そのとおりだね」と共感してもらうことが増え、クライアントとの関係も以前より良好になっています。
――その後、畑中さんは「マインドフルネスコーチ」の資格も取得されました。資格取得によるメリットはありますか?
公式に認められた証書がもらえるので、専門知識を持っていることを証明しやすいです。本場アメリカのメソッドを学んだと伝えることで、信頼性や説得力が増しました。中小企業診断士向けの講習をさせていただく機会も得られ、多くの方が興味を持って聞いてくださいました。
――どのような方におすすめしたいですか?
すべての企業の経営者におすすめしたいです。私は、企業の成長の8割以上は経営者の考え方次第だと思っています。イノベーションは、今の考えの延長線上ではなく、異なる要素を組み合わせることで生まれます。しかし、経営者が「こうでなければならない」という固定観念にとらわれると、視野が狭まって新しい可能性を見出せず、組織づくりや人材活用にも制限が生まれます。
マインドフルネスを学べば、そうした思い込みに気づき、より広い視点を持てるようになります。その結果、経営者の器が広がり、会社の成長も促進されます。実際、Google、Microsoft、AT&Tなどのアメリカの大手企業ではマインドフルネスを積極的に導入しています。「なぜ日本ももっと取り入れないのか?」と感じるほど、経営者にとって大きなメリットがあると思います。
まとめ
マインドフルネスを実践的に学び、ビジネスに活かしている畑中さんにお話を伺いました。東京・ビジネス・ラボラトリーの「マインドフルネスコーチ資格取得コース」は、単なる理論の学習ではなく、実践を通じて気づきを深められるのが特長です。今後もこのプログラムを通じて、多くの方がより良い働き方や、ビジネスの成長につながる新たな視点を得られる機会を提供いたします。